全日本空輸(ANA)が2014年3月から1年間、国際線ファーストクラスとビジネスクラスで提供するワインの選定会が、9月20日と27日の両日都内で行われた。
選定会には、ワイン界の最高峰資格「マスター・オブ・ワイン」を持つANA機内ワインアドバイザーのネッド・グッドウィン氏やANAでソムリエ資格を持つ客室乗務員、ANAで機内食などサービスを企画する部門の担当者ら、両日合わせて約30人が参加した。
書類選考を行う1次審査でファーストとビジネス両クラス合わせて1950本を審査。225本に絞り込んで、選定会を開催した。会場ではワインの種類や産地ごとに、8本ずつ目隠ししたワインが用意され、選定会1日目の20日はビジネスクラス、2日目の27日はファーストクラスのワインのテイスティングが行われた。
今後審査結果を集計し、ファーストクラス15種類、ビジネスクラス13種類の計28種類のワインが選ばれる。
機内用ワインを輸入する全日空商事によると、2012年はワインが不作だったことや、中国や中東勢の買い付けが激しくなっており、求めるレベルのワインを入手するのに苦労したという。
選定会に参加した客室乗務員は、ANAグループ約6000人のうち、ソムリエ資格を持つ約200人の中から選ばれた。地上と機内では味覚が異なるため、機内で感じやすい苦みや渋みを考慮したり、機内食に合うものを選ぶよう心がけて選定していた。
客室乗務員の中からは両日とも3人1組、計6人が参加。朝から晩まで、1日中ワインを飲み続けられることをうらやむ声もあるという。選定会後に尋ねると、「ソムリエ資格の試験と比べて選び抜かれたワインが揃っている分、わずかな違いを把握するのに苦労した。評価が狂わないよう、集中力を保つのも難しかった」と感想を述べ、採点しながらワインを飲み続けることは、想像以上に大変だったようだ。
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