成田空港の第2旅客ターミナル本館とサテライト施設を結ぶ連絡シャトルが9月26日、20年の歴史に幕を下ろした。27日からは新設された連絡通路が役割を引き継いだ。
連絡シャトルは、第2ターミナルがオープンした1992年12月から運行を開始。鉄道のように見えるが、車体を空気で浮上させてワイヤーで引っ張る国内唯一の水平エレベーターで、空港としては世界で初めて導入された。日本オーチス・エレベータが米オーチスの技術を基に開発し、運行やメンテナンスを手掛けた。
成田国際空港会社(NAA)によると、本館とサテライト間の距離は279メートル。約1分で結び、運行間隔は2分から4分ほど。1台のシャトルは定員312人で、保守点検時を除き4台で運行し、1日の利用者数は約2万人だった。20年間で人身事故は一度もなく、約2億人を運んだ。累計走行距離は約300万キロで、地球約75周分にのぼった。
成田空港は、2014年度中に年間発着回数の30万回化を目指しており、今後の旅客増加に対応しきれないとして、シャトルの退役が決まった。27日から供用開始した連絡通路への出入りには、シャトルの乗降口跡を暫定利用する。年末年始の繁忙期前までには乗降口跡を完全に撤去し、往来しやすくするという。シャトルの軌道部分も、連絡通路に改修する。
退役したシャトル4台のうち、2台は成田空港近くの芝山町にある空の駅「風和里しばやま」に展示される予定。
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