MRJ, 機体, 解説・コラム — 2013年8月23日 07:00 JST

三菱航空機、MRJ初飛行を15年4-6月期へ再延期 初号機17年納入に

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 70-90席クラスのリージョナルジェット機「MRJ」を開発中の三菱航空機は8月22日、今年10-12月期に予定していた初飛行を、2015年4-6月期に延期すると発表した。今回で延期は3度目。

MRJの開発計画の再延期を発表する三菱航空機の川井社長(中央)=8月22日 PHOTO: Haruyoshi YAMAGUCHI/Aviation Wire

 再延期の理由は、主要部品の調達が計画よりも遅れているため。部品の製造開始や納入時期に遅れが生じているが、サプライヤー各社と安全性を担保していくプロセスや納入時期について合意し、新しいスケジュールが決定した。

 試験機は機体の組立段階に進んでおり、地上試験や飛行試験、カスタマー・サポート、量産体制の早期構築についても、準備を進めているという。

 三菱航空機の川井昭陽社長は、開発スケジュールについて「これ以上遅れることはない」と述べ、山登りにたとえると6合目とした。

 当初MRJの初飛行は11年、初号機納入は13年の予定だったが、主翼の材料を複合材から金属に変更したことなどで1年遅れが決定。2回目の延期が12年4月に行われ、今回の3回目となるスケジュール見直しにより、初号機の引き渡しは17年4-6月期と、前回と比べて2年近く遅れる。

 現在の受注数は325機で、内訳は確定165機、オプション160機。国内では、ANAホールディングス(9202)がローンチカスタマーとしてオプション10機を含む25機を発注している。ANAHDは「少しでも早期に納入されることを求めていく」とコメントした。

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