アメリカン航空(AAL)は現地時間6月24日、運航乗務員のiPad上にマニュアル類や性能計算の結果を表示する「エレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)」を、全保有機へ導入を完了したと発表した。米国の大手航空会社では初めて。
AALが現在保有する機材はボーイング737型機と757、767、777、旧マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-80。4月にEFBの試験導入を757と767で行い、米国連邦航空局(FAA)から今回、全機種でiPadを使用する認可を取得した。
重さ16キログラムの紙マニュアルをEFBに置き換えることで、年間40万ガロン、120万ドル(約1億1800万円)分の燃料を削減できるという。導入済みのiPadは8000台で、1台につき運航乗務員と教官がこれまで使用してきた3000ページ以上の紙が不要になり、総ページ数では2400万ページに上るとしている。毎月数時間を要していた紙マニュアルの改訂も廃止となった。
iPadにインストールされるEFBアプリケーションは、米ボーイング・デジタル・アビエーション社傘下のジェッペセン社製。同社のアプリはFAAの認証を取得している。
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【お詫び】
3段落目「120万ドル」の日本円換算について、読者の方から誤字の指摘をいただきました。本文は修正済みです。(2013年6月28日 17:46 JST)