三菱航空機は6月19日、米国の販売拠点であるテキサス州の「ミツビシ・エアクラフト・コーポレーション・アメリカ(Mitsubishi Aircraft Corporation America, Inc.)」の新機能として、品質管理業務を担う部門をイリノイ州のシカゴ事務所内に設立し、17日から業務を開始したと発表した。
MRJの主要パートナー企業のうち17社が米国にあるため、品質管理拠点を現地に置くことでパートナーとの連携を強化。継続的な信頼関係を構築するのが狙い。開発が本格化しているMRJ装備品の認証試験や検査負荷の増大に対応していくという。
これまで海外のパートナーの品質管理業務を担うQCD(Quality:品質、Cost:価格、Delivery:納期)管理は、日本国内で行ってきた。パートナー企業の近くに拠点を置くことで機動性を高め、品質管理の支援を行う必要があると判断した。
シカゴ事務所は、パートナーとの進捗スケジュール管理や資材調達の最適化といった調達業務を実施する拠点だったが、新たにQCD機能が加わり、現地でのよりスムーズな管理体制が整うとしている。
三菱航空機は、将来は欧州にもQCD体制の構築を進めていくことを検討しており、今回の米国品質管理拠点の設立を皮切りに、QCD管理体制の強化を進める考え。
関連リンク
三菱航空機
・三菱航空機、MRJのシートを米ゾディアックに 国産採用ならず
特集・MRJのいま
・三菱航空機・川井社長「大変だったのは経験がないこと」 特集・MRJのいま(後編)
・「MRJで終わらないことが大事」ANAが望む国産旅客機の姿 特集・MRJのいま(前編)