ボーイングは現地時間6月2日、787型機の長胴型となる787-9の最終組立を開始したと発表した。初飛行は今年下期を予定している。
787-9は全長が6メートル長くなり、航続距離が300海里(555キロメール)延長しながらも、消費燃料は同クラス機よりも20%削減できるとしている。座席数は787-8の210から250席に対して40席増加し、250から290席となる。
同社は5月30日に大型部位の組立作業を開始。ボーイングによると、各部位を製造する世界各国のパートナー企業からは、スケジュール通りか、予定よりも早く部位が到着しているという。また、フライトテスト用機体の主要組立も行われている。
ボーイングでは、787-9の最初の3機をエバレット工場内の臨時ラインで最終組立を行うことを決定済み。13年末までに月産機数を10機に引き上げる予定で、並行して787-9の量産体制を構築する。
787-9のローンチカスタマーで、10機発注済みのニュージランド航空(ANZ)への初号機引き渡しは、2014年初頭に予定されている。
4月末時点での787-9の受注は20社から355機で、787の全受注数890機の約4割を占めている。国内の航空会社では、全日本空輸(ANA)は30機、日本航空(JAL、9201)は20機を発注済み。
787を巡っては、ボーイングが計画している787の胴体延長型787-10Xをシンガポール航空(SIA)が5月末に発注することで合意している。787-10Xは787-9よりも40席多い320席クラスとなる見込み。
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ボーイング・ジャパン
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