日本航空(JAL、9201)は、6月2日午前9時10分羽田発北京行きJL021便で使用予定だったボーイング787型機(登録番号JA827J)が、出発前の飛行間点検で補助動力装置(APU)用バッテリーの格納容器内外の圧力差を示す計器が作動したことを明らかにした。バッテリー自体に不具合はなかった。
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バッテリー格納容器の穴がテープでふさがれていたJALの787(JA827J)=13年5月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
2日午前6時ごろ、羽田から出発する前に空港で点検したところ、機体後部電気室に積まれたバッテリーの格納容器にある直径0.8ミリメートルの穴2つが、テープでふさがれていたことがわかった。
バッテリーシステムの改修時に、ボーイングの整備士が格納容器の密閉度を測るため穴をテープでふさいだ。テスト後、ボーイング側の作業ミスでそのままになったとみられる。
この穴はバッテリーで不具合が生じた際に発生する蒸気状の気体を効率的に機外に排出できるよう、空気の流れを調整するために設けられた。穴がふさがれていたことと計器の作動の関連性については確認中としている。
同機は1日に成田発シンガポール行きJL719便として運航後、折り返しでJL036便として羽田へ2日午前5時40分に到着。いずれの運航時も異常はみられなかったという。
点検に時間がかかる可能性があったため、021便は機材を767-300に変更。定刻より1時間5分遅れとなる、2日午前10時15分に乗客132人を乗せて北京へ出発した。
JALによると、当該機以外の787は通常通り運航しているという。また、当該機も3日深夜の羽田発シンガポール行きJL035便で運航に復帰した。
ボーイングの改修作業を巡っては、5月4日に全日本空輸(ANA)の787(登録番号JA809A)で、配電盤の一部が熱で損傷するトラブルが、運航乗務員の慣熟飛行中に発生。ボーイング側の作業ミスが原因だった。ANAによると、このトラブル以外に問題は起きていないという。
関連リンク
安全・運航情報 ボーイング787型機(日本航空)
ボーイング787型機 ANAからのお知らせ(全日本空輸)
【お知らせ】
当該機JA827Jの運航復帰が確認できたため、7段落目に追記しました。(2013年6月3日 9:44 JST)