全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL、9201)は6月1日、1月から運航を停止していたボーイング787型機による定期便の運航を約4カ月半ぶりに再開した。両社の運航再開初便は、午前1時前後に羽田を出発して目的地へ向かった。
ANAはフランクフルト便
ANAの初便はフランクフルト行きNH203便。機材は国際線用158席仕様機(登録番号JA813A)で、乗客146人と運航乗務員3人、客室乗務員9人を乗せて定刻より1分早い午前0時59分に羽田国際線ターミナルの109番スポットを出発した。C滑走路(34L)から午前1時17分に離陸し、フランクフルトへ向かった。
搭乗開始を前にANAの篠辺修社長は、「安全第一で対策をしてきた。確認飛行や慣熟飛行を250便以上行った」と語り、安全性に自信を示した。
ANAでは定期便の再開に先駆け、5月26日から羽田-札幌線で臨時便を5便運航。同路線は、整備など地上支援の態勢が十分であることや、臨時便の需要が見込めるなどの理由で、運航乗務員の慣熟飛行も行われた。
JALはシンガポール便
一方、JALの初便はシンガポール行きJL035便(登録番号JA825J)。座席数は186席で、乗客184人と運航乗務員2人、客室乗務員7人を乗せ、羽田の113番スポットを午前1時2分に出発した。同便もC滑走路(34L)を使用し、午前1時23分に離陸した。
乗員の到着を前に、搭乗ゲート付近で記者団の取材に応じたJALの植木義晴社長は、自身の35年間の運航乗務員としての経験から、安全には自信があると語るとともに、利用者から信頼を得るには「これから実績を重ねていくことと、全社員が自信を持ってやっていくことが大切だ」と述べた。
植木社長に自ら操縦桿を握りたかったかを尋ねると、「そりゃそうだよ」と即座に応じ、「乗員は十分に訓練を積み、安全に飛ばせる自信を持っている。私だけではなく、皆が初便の操縦桿を握りたかっただろう」と、後輩たちの心中を察した。
初便の乗員には、「いつものようにやれよ」と声を掛けると述べ、乗客へは「シンガポールまでの6時間を楽しんで欲しい」と話した。
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