ボーイングは現地時間5月1日、777の後継機777Xの技術面や価格、スケジュールの詳細が「次のステップ」を迎えていることを明らかにした。
これを受けて2日、民間航空機部門マーケティング担当バイス・プレジデント(副社長)のランディ・ティンゼス氏はブログで777Xに言及。777Xは現行の777より座席数の多い350席から400席クラスとなり、長距離路線や高い貨物需要を満たす機体になると説明した。競合するエアバスのA350-1000は3クラスの標準座席数は350席、世界最大の旅客機A380は同525席、ボーイングでもっとも大きい旅客機747-8は同416席となっている。
ティンゼス氏は昨年10月にAviation Wireが行った単独インタビューでも、777Xは現行の777-200シリーズ(3クラス約300席)や777-300シリーズ(同365席)よりも若干大型化する方向性を示していた。
主翼には燃費向上のため、787や747-8と同様に複合材を使用。就航は2019年ごろが見込まれる。今後、航空会社から一定の受注を獲得できれば、開発はさらに次のステップへ進む。
エンジンはGEの航空事業部門GEアビエーションが開発。昨年7月に英国で行われたファンボロー航空ショーで、777に搭載されているGE90型エンジンの最新型で777X向けの「GE9X」について発表。GE9XはGE90と比べて燃費が10%向上するとしている。ボーイングは今年3月にGEを開発パートナーに選定した。
日本ではGE90の製造にIHI(7013)が参画しており、昨年10月にはGEと三井物産(8031)がGE9Xの戦略パートナーとして提携することで合意している。
現行の777は、1990年10月にユナイテッド航空(UAL)から受注を獲得し開発が決定。1995年6月7日から運航を開始している。標準座席数は777-200が3クラス305席、2クラス400席、1クラス最大440席。777-200ERは3クラス301席、2クラス400席、1クラス最大440席。777-200LRは3クラス301席。777-300は3クラス368席、2クラス451席、1クラス最大550席。777-300ERは3クラス365席。通算1000機目の機体は昨年3月にエミレーツ航空(UAE)へ引き渡された。
一方で、1月に発生した787でのバッテリートラブルを受け、米国連邦航空局(FAA)が新型機の認証に従来よりも慎重な姿勢を取るとも伝えられており、ボーイングはこれまでよりも堅実な開発を求められる可能性がある。
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
GE Aviation
・ボーイング、777XのエンジンパートナーにGE選定 GE9X採用へ
・三井物産、GEとGE90後継機で提携 リース事業拡大へ
・787-10Xは320席程度を想定、777Xと747-8「競合しない」 ボーイングのティンゼス副社長