ANAホールディングス(9202)は4月30日に発表した2016年3月期までの中期経営計画で、アジアへの投資を強化する方針を示した。6月に投資管理会社をシンガポールに設立し、アジアの航空会社や航空事業に関わる会社に投資する。
同社ではスピード感のある投資や効果の最大化を目的として、投資管理会社を設立。昨年8月に公募増資で約1736億円を調達しており、財務体質が強化されたことからアジアへの投資を加速する。
対象となるのはアジアのフルサービス航空会社(FSC)や低コスト航空会社(LCC)、航空事業に関わる会社。投資管理会社はANAHD内に設立し、資本金は1000万円程度を想定しているが、人選は決まっていないとした。
シンガポールに会社を設立する理由について、同社の清水信三・上席執行役員は「法人税など税的なメリットがあるほか、地理的にアジアの情報が集まる場所だ」として、アジアの情報収集を強化したい意向を示した。また、「シンガポールが70カ国ほどと租税条約を結んでいる」として、シンガポールの投資管理会社から他国に設立する特別目的会社(SPC)を経由して投資するメリットがあると語った。
投資規模については、すでにいくつかの案件があるとして明言を避けた。
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ANAホールディングス
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