3月30日に17年間の運航を終えて退役した日本航空(JAL、9201)の旧マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-90型機の退役記念セレモニーが4月5日夜、JAL社員有志の手により羽田の格納庫で行われた。
セレモニーにはJAL社員のほか、ボーイング・ジャパンのジョージ・L・マフェオ社長やMD-90のサポート担当者、JALのMD-90に搭載されたエンジンIAE(インターナショナル・エアロ・エンジンズ)製V2500の製造を担ったIHIの社員ら、約300人が出席。マフェオ社長からJALの佐藤信博整備本部長に記念の盾が贈られた。
出席者全員で記念写真を撮影後に行われた機内見学は、重量バランスの関係で人数を区切り、前方ドアから後方への一方通行で行われた。
機内では客室乗務員の席で記念写真を撮る人が多く見られた。機外ではパイロットや客室乗務員、整備士らが機体にまつわるエピソードの数々を披露し、機体にはJASカラーやMD-90の飛行シーンがプロジェクターで映し出された。
MD-90は地上支援設備のない地方空港でも就航できるよう設計されており、前部ドア下の格納式タラップや機体尾部の後部ドアが特徴だ。前方の格納式タラップの出し入れを操作するのは、チーフパーサー席にあるレバー“ドラえもんの手”。客室乗務員から「ドラえもんの手が少し引っかかった」と報告を受けると、整備士もこのレバーの点検を行ったという。客室乗務員や整備士の間では、“ドラえもんの手”の愛称で通っていたそうだ。
客室乗務員たちは「お客様との距離が近くて楽しかった」、「乗るのが楽しみな機体だった」と思い出を話し、別れを惜しんでいた。
1996年4月1日からJASが導入した16機は、JALに統合後も引き継がれた。退役後は全機が生まれ故郷の米国へ渡り、デルタ航空(DAL)で飛び続ける。
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