3月30日で17年間の運航に幕を閉じた日本航空(JAL、9201)の旧マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-90型機。旧日本エアシステム(JAS)が1996年4月1日から運航を開始し計16機を導入したMD-90は、故・黒澤明監督が「日本の朝」「日本の空を彩る七色の虹」をテーマにデザインした、7種類の機体塗装が施されていた。
当紙ではJALのパイロットと整備士に機体の特徴や、これまでの運航について伺う座談会を開き、MD-90について語っていただいた(前編と後編)。写真特集の前編では、客室の中でもシートを中心に写真を掲載した。今回はコックピットとギャレー(厨房設備)、ラバトリー(洗面所)と、乗客が普段あまり見る機会がない場所を取り上げた。格納式タラップや後部ドアも、最近の運航では使用されなくなり、目にする機会が減っていた。
「空港に着いて後部ドアから降りると、(スポットに書かれた)中心線に沿ってまっすぐ止められたかが気になりましたね。まぁ、我々の自己満足ですが(笑)」と、後部ドアが運航時に使用されていた頃をMD90運航乗員部(取材当時)の宮﨑利夫機長は懐かしそうに語る。
機外を撮影していると、JALエンジニアリング(JALEC)羽田航空機整備センターの田倉正尚マネジャーが「燃料計が使えない場合の最終手段は、これなんですよ」と、主翼下の燃料ゲージを出してくださった。同センターの畑中英明整備士によると「機体の傾きなどを考慮して燃料の残量を計るのですが、最近はまず使わないです」という。ボーイング787型機にはこのゲージはないそうだ。
計器の一部がデジタル化されてもDC-9からの天測窓が残るなど、機体のあちこちに過渡期を感じさせるMD-90。ダグラス社もかつてのライバル、ボーイングに買収され、100席以上の旅客機市場を争うのはボーイングとエアバスのみとなった。MD-90の退役によりダグラス機が日本の空から姿を消したことで、一つの時代が終わったと言えよう。
これより先は会員の方のみご覧いただけます。
無料会員は、有料記事を月あたり3記事まで無料でご覧いただけます。
有料会員は、すべての有料記事をご覧いただけます。
会員の方はログインしてご覧ください。
ご登録のない方は、無料会員登録すると続きをお読みいただけます。
無料会員として登録後、有料会員登録も希望する方は、会員用ページよりログイン後、有料会員登録をお願い致します。
* 会員には、無料個人会員および有料個人会員、有料法人会員の3種類ございます。
これらの会員になるには、最初に無料会員としての登録が必要です。
購読料はこちらをご覧ください。
* 有料会員と無料会員、非会員の違いは下記の通りです。
・有料会員:会員限定記事を含む全記事を閲覧可能
・無料会員:会員限定記事は月3本まで閲覧可能
・非会員:会員限定記事以外を閲覧可能
* 法人会員登録は、こちらからお問い合わせください。
* 法人の会員登録は有料のみです。