エアバス, エアライン, ボーイング, 機体, 空港 — 2019年8月7日 12:22 JST

キャセイ、下地島でパイロット訓練 初日は中止

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 キャセイパシフィック航空(CPA/CX)グループは8月7日から、下地島空港でパイロット訓練を開始する。下地島で海外の航空会社が定期的に訓練するのは初めて。初日となる7日は、台風9号による横風の影響で中止となった。今後、月内に数日間の訓練を予定する。

キャセイパシフィック航空がパイロット訓練を開始する予定だった下地島空港=19年8月7日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

—記事の概要—
777とA330訓練
JAL・ANA撤退で訓練激減

777とA330訓練

下地島空港で訓練を開始する予定だったキャセイパシフィック航空の777の模型=19年8月7日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 キャセイは下地島で、ボーイング777-300型機やエアバスA330-300型機などを使用し、新人パイロットの訓練を計画する。キャセイパシフィック航空の運航管理部門でジェネラルマネージャーを務めるマーク・ホエイ機長は、下地島での訓練を決定した理由について「インフラが整っていることと、気候が概ね安定していること」を挙げた。初日の訓練中止については「外は晴れているが、風向きが幸いしなかった。新人乗務員の訓練が目的で安全を優先した」と述べた。

 8月は初日となった7日を含め、5日間の訓練を予定していた。このうち9日も台風の影響を考慮して中止とし、訓練開始は12日か13日となる見込み。

 キャセイは現在、中国の珠海と深セン、広州のほか、フィリピンのクラークでもパイロット訓練をしている。下地島ではキャセイ本体のほか、傘下のキャセイドラゴン航空(旧・香港ドラゴン航空、HDA/KA)のA330-300も訓練するという。

JAL・ANA撤退で訓練激減

下地島空港で訓練するソラシドエアの737(資料写真)=19年3月16日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

 下地島空港は1979年7月5日に開港。地方管理空港で、滑走路は3000メートル×60メートル(RWY17/35)が1本、スポット(駐機場)は大型機用が5つ、中型機用が1つ、利用時間は午前8時から午後7時30分まで。

 島全体が空港用地となっており、国内唯一の民間ジェット機の訓練空港として利用されてきたが、日本航空(JAL/JL、9201)が2011年度まで、ANAが2013年度までで撤退している。2017年には、バニラエア(VNL/JW)が訓練を実施した。

 現在は琉球エアーコミューター(RAC)や海上保安庁が定期的に訓練しているほか、ソラシドエア(SNJ/6J)とエア・ドゥ(ADO/HD)の2社も使用している。

 同空港を管理する下地島空港管理事務所の上原正司所長は、「JALとANAの撤退で訓練が激減した」とし、キャセイの訓練開始に期待を寄せた。

 下地島空港は離島にあり、夏には今回のように台風による影響も考えられる。上原所長は訓練を検討している航空会社に対し、「リスクは説明している」と述べ、「訓練に適した空港。いい場所だ」とアピールした。

8月の訓練予定
7日:午前10時30分から(中止)
9日:午後3時30分から(中止)
15日:午前9時30分から
26日:午後0時30分から
30日:午前9時30分から
*このほか12日か13日に訓練を予定

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