機体後部に取り付けられたエンジンに格納式タラップ、後部ドア──。現在主流の機体にはない装備が特徴的な旧マクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-90型機は、3月30日で17年間の運航に幕を閉じる。最後に残った副操縦士4人も乗務から離れ、25日からは機長が2人乗務する「ダブルキャプテン」で運航している。
日本の空から去る最後のダグラス機となったMD-90。日本航空(JAL、9201)のパイロットと整備士に機体の特徴や、これまでの運航について伺う座談会を開いた。導入当初の不具合を除けば安定した機体だったというMD-90について、大いに語っていただいた。
燃料さえ積んでくれれば大丈夫
MD-90は1965年に初飛行した小型機DC-9の発展型で、1989年からMD-80シリーズの次世代機として開発をスタート。93年に試験飛行と製造が始まり、日本では旧日本エアシステム(JAS)が96年4月1日に就航させた。エンジンは日本も開発に参画したIAE(インターナショナル・エアロ・エンジンズ)製V2500を搭載する。JAL機の座席数は150席で、クラスJが18席、普通席が132席と、地方路線に適した大きさだった。
JALがJASと統合後に保有していたDC-9シリーズは、MD-81(163席)とMD-87(134席)、MD-90の3機種。2008年3月31日にMD-87が、10年9月30日にMD-81が退役している。同シリーズは地上支援設備のない地方空港でも就航できるよう設計されていたため、地上高が低いのが特徴だ。
「一番活躍してくれたのは東日本大震災なんです。山形や花巻に行きました」と話すのは、MD90運航乗員部の宮﨑利夫機長。「電気があまり来てないからPBB(搭乗橋)が使えないよ、という時でもMD-90なら行けてお役に立てたのが良かったです」と電力が不足した震災直後の活躍を振り返る。
機体に内蔵されたタラップと後部ドアのおかげで、
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