1976年の事業開始から37年を経て、新石垣空港(愛称・南ぬ島 石垣空港)が3月7日に開港を迎えた。開港初便となったのは、全日本空輸(ANA、9202)の那覇行き1762便。乗客99人を乗せた同便は、午前8時18分に新空港を飛び立った。
1762便で使用したボーイング737-500型機は、那覇からフェリーフライト(回送)で午前7時10分ごろ新空港に到着。消防車による放水アーチで出迎えられた。初便の乗客には乗員らの手作りによる搭乗証明書がプレゼントされた。
一方、日本トランスオーシャン航空(JTA)の初便は、沖縄美ら海水族館とのタイアップでジンベエザメを機体にデザインした特別塗装機「ジンベエジェット」(737-400、登録番号JA8939)で運航。ジンベエジェットも放水アーチをくぐり、午前8時15分ごろ新空港に到着した。
JTAは6日の旧空港最終便では南西航空時代の塗装を再現した特別塗装機「SWAL(スワル)ジェット」(737-400、登録番号JA8999)を投入(関連記事)。新旧空港の節目となる便に特別塗装機を活用した。JTAの佐藤学社長は「地元沖縄に軸足を置いた“ウチナーの翼”として、今まで以上に地元とともに歩む航空会社にしたいという思いを込めて行った」と特別塗装機投入の意図を述べた。
新空港の滑走路はこれまでより500メートル長い2000メートルと、767などの中型機が就航できる長さとなった。ANAでは、3月31日の夏ダイヤ開始に合わせ、羽田-石垣間の直行便を2006年11月以来約6年5カ月ぶりに再開。機材は767-300(270席)で、1日1往復(91/92便)で運航を開始する。羽田国内線発着枠の増枠で配分される8往復分の1つを割り当てた。
ANAの内薗幸一・取締役執行役員に同直行便の目標となるロードファクター(L/F、座席利用率)を尋ねたところ、「6割から7割を目指したい」とのことだった。内薗氏によると、初便の予約はすでに満席だという。
JTAの佐藤社長に羽田-石垣線への中型機導入の可能性について尋ねると、「本土からの旅客が増えていくと思うので、(JAL)グループとして中型機を導入しないと競争に勝ち残れないと思っている。大事なポイントだ」と応じた。
航空会社の中型機導入により、貨物輸送も強化される。石垣市の中山義隆市長は、石垣牛など地元特産品の県外販売拡充を目指しており、新空港は旅客需要だけではなく八重山諸島における物流の要諦としても期待される。
関連リンク
南ぬ島 石垣空港
日本トランスオーシャン航空
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