全日本空輸(ANA、9202)は1月16日、山口宇部空港を午前8時に出発した羽田行きNH692便のボーイング787型機(登録番号JA804A)が、操縦室でバッテリー関連の警告が表示され、乗員乗客が異臭を感じたため午前8時45分ごろ高松空港へ緊急着陸したと発表した。乗客129人と乗員8人の137人は機体の脱出用シューターで全員脱出し無事だったが、脱出後腰に違和感を感じる人やすり傷を負った人などが数人いるという。
ANAによると、運航中に操縦室でバッテリー関連の警告が表示された。煙を感知したメッセージも表示されたが、機内で煙は確認されていない。異臭は乗員乗客とも感じており、原因は現在調査が行われている。
これを受け、国土交通省の運輸安全委員会(JTSB)は午前10時16分に事故につながりかねない重大インシデントに認定し、事故調査官を高松空港などへ派遣した。
ANAでは787を17機保有しており、残り16機のきょうの運航を取りやめて点検を行っている。同じく787を運航する日本航空(JAL、9201)は、すでにボストンから成田へ向かっている1便を除き、きょうの787の運航を取りやめて点検を実施。欠航または他の機体で運航する。JALは7機を保有し、米国ボストンでバッテリーからの出火や燃料漏れを起こして調査中の2機を除いた5機の点検を実施する。JALによると、点検により欠航8便と遅延2便が生じ、約1450人に影響が出ているとしている。
ANAとJALでは明日以降の787の運航について、午後1時現在、何も決定していないという。
関連リンク
全日本空輸
・全日空と日航、17日も787運航見合わせ
・米運輸安全委、出火した787のバッテリー公開
・ボーイング、2012年の民間機受注は歴代2位の1203機、引き渡しは601機
【お知らせ】
JALの運航状況のうち、詳細を追記しました。(2013年1月16日 15:30 JST)