エアバスは現地時間2月13日、A321neoの航続距離延長型「A321LR」の初号機(MSN7877、登録番号D-AVZO)での大西洋横断に、初めて成功した。パリ郊外のル・ブルジェ空港を出発し、8時間43分後にニューヨークのジョン・F・ケネディ空港(JFK)へ到着した。
初号機には、パリのエッフェル塔と、ニューヨークにある自由の女神をデザイン。大西洋を横断できることをアピールする。
航空機の位置情報を提供するウェブサイト「フライトレーダー24」によると、AIB321便として運航し、パリ時間13日午後3時17分(日本時間同日午後11時17分)にル・ブルジェを出発。ニューヨーク時間同日午後6時(日本時間14日午前8時)にJFKへ到着した。
初号機は1月に初飛行。エンジンは、CFMインターナショナル社製LEAP-1Aを搭載する。今年4-6月期(第2四半期)のEASA(欧州航空安全局)とFAA(米国連邦航空局)による型式証明取得を目指し、大西洋横断飛行を含む約100時間の飛行テストプログラムを開始した。商業運航開始は、今年10-12月期(第4四半期)を目標とする。
A321LRは、ドアの新たな配置により最大240席を装備できる。また、A320ファミリーに装備可能なエアバスの新客室ブランド「Airspace by Airbus」により、顧客満足度を高められるとしている。
最大離陸重量(MTOW)を97トンに引き上げ、3個目の中央燃料タンクを追加することで航続距離を約7408キロ(4000海里)に延長し、大西洋路線にも投入できる。
A321neoは最新エンジンと高い空力性能により、2020年までに20%の燃費削減を目指す。1月末時点で、50社以上から1920機の受注を獲得している。エアバスによると、市場シェアは80%に達し、双通路機(ワイドボディー機)と単通路機(ナローボディー機)の間の市場で支持を得ているという。
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