三菱重工業(7011)は2月7日、ボーイングが開発中の大型機「777X」向け後部胴体パネルを、広島製作所江波工場から初出荷したと発表した。777Xの初号機引き渡しは、2020年となる見通し。
江波工場は旧鉄構工場を改修後、独自の自動化ラインを開発・設置。品質向上と処理能力の拡大、効率化を進めた。777Xでは、部品製造に独自開発した新型設備を導入し、品質向上とともに、複数の場所にまたがって生産していた工程を集約した。これにより、一貫加工によるリードタイム短縮など、これまで生じていたボトルネックを解消したという。
777Xは現行の大型機777の後継機で、777-8と777-9の2機種で構成。3クラスの標準座席数は777-8が350-375席、777-9が400-425席で、航続距離は777-8が8700海里(1万6110キロメートル)、777-9は7600海里(1万4075キロメートル)を計画している。
日本の製造分担割合は、777と同じ主要構造部位の約21%。三菱重工はこれまでと同じく、777Xの後部・尾部胴体、乗降扉の製造を手掛ける。7日は、江波工場で式典が開かれた。
777Xは、コミットメントを含めると340機受注しており、このうち確定発注は326機。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)が、777-9を長距離国際線に投入している777-300ERの後継機として20機確定発注しており、2021年度から受領する見通し。
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