エアバスの大型機A350-1000が、2月に東京へ初飛来する。中東・アジア太平洋地域への3週間にわたるデモンストレーションツアーの一環で、数週間以内に予定しているカタール航空(QTR/QR)への初号機納入前に行われる。
ツアーに使用する機体は、3機ある飛行試験機のうち、垂直尾翼にカーボン模様の塗装が施された2号機(MSN065、登録番号F-WLXV)。3クラス295席(ビジネス40席、エコノミープラス36席、エコノミー219席)の客室装備がなされた試験機で、運航はエアバスで飛行試験を担当する乗務員が担当する。
訪問先はドーハとマスカット、香港、ソウル、台北、ハノイ、シンガポール、バンコク、シドニー、オークランド、東京、マニラの12都市。3万海里(5万5500キロ)以上を飛行する。2月6日に開幕するシンガポール航空ショーの期間中は、6日から8日まで会場で展示する。
A350-1000は、A350 XWBファミリーで胴体が最長となる長胴型の機体。全長は73.78メートルで、標準型で66.8メートルのA350-900より6.98メートル長い。座席数はメーカー標準仕様で3クラス366席と、A350-900の325席より41席多く、航続距離は7950海里(1万4350キロ)、最大離陸重量は308トンとなる。エンジンは英ロールス・ロイス製トレントXWB-97を搭載する。
システムの95%がA350-900と共通で、タイプレーティング(機種別操縦資格)も共通。主翼の後縁が改良され、メインランディングギア(主脚)は6輪のものに改められた。2017年11月には、EASA(欧州航空安全局)とFAA(米国連邦航空局)から型式証明を同時取得した。
2017年12月末現在、A350 XWBの受注は854機で、このうちA350-1000は11顧客が169機を確定発注。日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入する。確定発注はA350-900が18機、A350-1000が13機の31機となっている。就航予定は2019年で、777を6年程度で置き換える。A350-1000は、長距離国際線用777-300ERの後継となる見通し。
日本初飛来
・エアバスとJAL、A350-1000お披露目 植木社長「長距離国際線の後継機」(18年2月14日)
・JAL植木社長「総額見て手が震えた」 次世代旗艦機A350-1000、日本初飛来(18年2月15日)
・A350-1000、日本初公開終えマニラへ(18年2月14日)
・A350-1000が日本初飛来 JALが導入(18年2月14日)
A350
・A350-1000、EASAとFAAから型式証明 初号機はカタール航空へ(17年11月22日)
・ロールス・ロイス、A350-1000エンジン認証取得 トレントXWB-97、欧州当局から(17年9月5日)
・A350-1000試験機の機内と飛行展示 写真特集・パリ航空ショー2017(2)(17年7月13日)
・エアバス、A350-1000初号機が初飛行 JALも導入(16年11月24日)
・エアバス、カーボン模様のA350-1000ロールアウト 飛行試験2号機(16年9月25日)
・エアバス、A350短胴型中止へ 777のシェア奪取へ(16年6月1日)
JAL
・JAL、大型機はA350のみ 植木社長「効率落ちる」(17年7月12日)
・JAL、国内線からA350導入 19年度から777置き換え(17年4月28日)
・日航、A350で777置き換え 777X採用ならず(13年10月7日)
写真特集・エアバスA350 XWB
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翼端が特徴的な最新鋭機 機体編(14年11月25日)