全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)の片野坂真哉社長は11月21日、エアバスA380型機を2019年春から投入するホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(旧称ホノルル国際空港)にラウンジを新設することを明らかにした。
ANAHDは、総2階建ての超大型機であるA380の新造機を3機購入。2019年春から全機を成田-ホノルル線に就航させる。エンジンはロールス・ロイス製トレント900を選定しており、座席数は500席から600席の間で検討を進めている。塗装は全機が特別塗装となり、「空飛ぶウミガメ」の意味を持つ「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」と名付けた。
片野坂社長はAviation Wireの取材に対し、A380について「環境整備が着実に進んでいる。ファーストやビジネスのほか、ハワイのマーケット特性に合わせた機内のハード面充実を考えている」と語った。
ホノルルへのA380就航はANAが初めてとなることから、「空港当局も歓迎しており、2階建て対応のPBB(搭乗橋)建設も予定している。我々のラウンジも、新しく開設する準備が進んでいる」と述べた。
ANAのハワイ路線は、成田-ホノルル線が1日2往復と、羽田-ホノルル線が1日1往復の計3往復。このほかに、北米路線で共同事業(JV)を展開しているユナイテッド航空(UAL/UA)の成田-ホノルル線(1日1往復)とコードシェアを行っている。
現在ホノルルのラウンジは、ユナイテッドのラウンジ「ユナイテッドクラブ」を使用。旅客数が大幅に増えることから、自社のラウンジを展開する計画だ。
一方、これまで提携していたハワイアン航空(HAL/HA)は、2018年から日本航空(JAL/JL、9201)との提携に切り替える。この影響について片野坂社長は、「ハワイ島やマウイ島を周遊するお客様もいるので、パートナーをしっかり確保していくのが課題。ボリュームは小さいが、コネクションサービスが課題だ」と語った。
ホノルルがあるオアフ島について、「日本人の観光のメインの島。JTBやHISも非常に期待感を持たれている」と、A380就航に対して旅行会社から良い反応を得ていることを明らかにした。
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