エアバスは現地時間11月2日、開発中の大型機A350-1000型機の機能・信頼性試験が完了したと発表した。月内に型式証明を取得し、最初の引き渡し先はカタール航空(QTR/QR)となる見込み。
同試験は、欧州と南米で飛行試験機(MSN065、登録番号F-WLXV)を用いて実施。同機はコロンビアのバランキージャから1日にトゥールーズへ到着し、試験を終えた。試験飛行の要件に従い、約2週間で150時間に相当する6万5200キロ(3万5200海里)を飛び、自動着陸試験や客室性能試験などが行われた。
試験飛行はエアバスのテストパイロットが実施し、EASA(欧州航空安全局)のパイロットも参加した。
A350-1000は、3機種あるA350 XWBファミリーで胴体が最長となる長胴型の機体。全長は73.78メートルで、標準型で66.8メートルのA350-900より6.98メートル長い。座席数はメーカー標準仕様で3クラス366席と、A350-900の325席より41席多く、航続距離は7950海里(1万4350キロ)、最大離陸重量は308トンとなる。エンジンは英ロールス・ロイス製トレントXWB-97を搭載する。
9月末現在、A350 XWBは858機受注。このうち、A350-1000は12顧客が169機を確定発注している。
日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)がボーイング777型機の後継機として、A350-900とA350-1000を合わせて最大56機導入。確定発注はA350-900が18機、A350-1000が13機の31機で、オプションの残り25機の機種は今後決定する。運航開始は2019年の予定で、777を6年程度で置き換える。A350-1000は長距離国際線用777-300ERの後継となる見通し。
A350 XWBはA350-900とA350-1000のほかに、短胴型のA350-800(3クラス280席)が計画されていたが、見直しにより事実上キャンセルとなっている(関連記事)。
A350-1000
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・ロールス・ロイス、787新エンジンが認証取得 トレント1000TEN、欧州当局から(17年8月22日)
・A350-1000試験機の機内と飛行展示 写真特集・パリ航空ショー2017(2)(17年7月13日)
・エアバス、A350-1000の高温試験成功 アラブで40度以上(17年7月11日)
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・A350-1000、高温燃料でエンジン試験(17年5月9日)
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・エアバス、A350-1000の騒音試験 離着陸時、スペイン南部で(17年4月10日)
・A350-1000、マイナス30度で低温試験 カナダで(17年2月22日)
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・エアバスA350-1000、3号機も初飛行(17年1月11日)
・エアバス、A350-1000初号機が初飛行 JALも導入(16年11月24日)
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JAL
・JAL、大型機はA350のみ 植木社長「効率落ちる」(17年7月12日)
・JAL、国内線からA350導入 19年度から777置き換え(17年4月28日)
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