9月1日に豪州第2の都市メルボルンへ、日本航空(JAL/JL、9201)の直行便が成田から就航した。JALがメルボルンへ乗り入れるのは初めてで、豪州路線は成田-シドニー線と合わせて2路線になった。
機材はボーイング787-8型機の新仕様機「スカイスイート787(SS8)」を投入。座席数は3クラス161席で、ビジネス38席、プレミアムエコノミー35席、エコノミー88席)で、片道約10時間の長距離路線だ。
利用者にとって重要なのは、機材と並んで空港のラウンジだ。特にビジネスクラスの乗客や、マイレージのステータスを持つ多頻度利用者が気になるのは、海外空港のラウンジでどういったサービスが受けられるではないだろうか。
JALが初めて就航したメルボルンは、どのようなラウンジなのだろうか。
カレーや麺類も用意
メルボルンのラウンジ名は「Marhaba Lounge(マルハバ・ラウンジ)」。アラビア語で「ウェルカム(ようこそ)」を意味するラウンジは、JALの成田行きが出発するターミナル2の搭乗口上階にある。
マルハバはJALの成田-メルボルン線就航に合わせ、1日にオープンしたばかり。JALによると、もともとはこの場所にエミレーツ航空(UAE/EK)のラウンジがあったが、移転に伴い系列のアルファケータリングサービスが運営する200席クラスのラウンジが入り、JALはマルハバを利用することにしたという。
シートの間隔はゆったりとした配置で、奥には大きなテーブルが置かれた席もある。くつろぎやすい席と仕事をするのに適した席があり、その時の状況に応じて使い分けられる。
成田行きJL774便は、メルボルンを午前0時5分に出発する。この便の利用者が訪れる時間帯は、日本語を話す豪州人スタッフも業務にあたる。食事のメニューにはカレーも用意し、JALの国際線機内食を担当するJRC(ジャルロイヤルケータリング)のシェフがメニューを伝えた。
JALでメルボルン空港を担当するオーストラリア・ニュージーランド地区ビクトリア・南オーストラリア・タスマニア州統括の安光晋作さんによると、日本人スタッフがカレーを試食した感想はやや甘めの味だが、試行錯誤を繰り返してきたことで、だいぶ日本人がイメージするカレーの味に、近づいてきているという。
カレーのほか、牛ヒレ肉と胸肉などを使った「台湾牛肉面」、マレーシア人に人気のココナツミルクと香辛料で煮込んだ鶏肉を使った「ナレシマ」、揚げワンタンなどによる「香港風ワンタン麺」も用意。地元のコーヒーチェーン「ハドソンズ・コーヒー(Hudsons Coffee)」のコーナーもあり、スタッフがコーヒーをいれてくれる。
スマートフォンなど、Wi-Fi機器を使った無線LANによるインターネット接続にも対応。受付のカウンターに、接続先のSSID(ネットワーク名)やパスワードの案内があった。
メルボルン空港と市内のサザンクロス駅を「スカイバス(Skybus)」という高速バスが結んでいるが、こちらも無線LANによるインターネット接続サービスを無料で利用できる。スカイバスを使えば、市内から空港までの30分程度の移動時間と、ラウンジに入室して出発するまでは、仕事を続けることができると言えるだろう。
メルボルン発の成田行きは深夜便だ。出発前にラウンジやターミナル内で食事を済ませてしまい、機内では寝ることに専念するという移動の仕方もある。マルハバは最新のラウンジとあって、約10時間のフライトが始まる前にゆっくりと自分の時間を過ごせる場所と言えそうだ。
*写真は21枚。
*メルボルン線初便の搭乗記はこちら。
運航スケジュール
成田-メルボルン
JL773 成田(10:30)→メルボルン(21:55)運航日:9月1日から
JL774 メルボルン(00:05)→成田(09:05)運航日:9月2日から
JL773 成田(10:30)→メルボルン(22:55)運航日:10月1日から
JL774 メルボルン(00:35)→成田(08:35)運航日:10月2日から
関連リンク
日本航空
Melbourne Airport
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