国土交通省は9月5日、羽田空港を離陸時に左エンジンから出火した日本航空(JAL/JL、9201)の羽田発ニューヨーク行きJL006便(ボーイング777-300ER型機、登録番号JA743J)のトラブルについて、バードストライクが原因ではないことを明らかにした。同省航空局(JCAB)とJALなどが、エンジンを分解して調査を進めている。
*国交省が重大インシデントに認定。記事はこちら。
5日のJL006便は、羽田を定刻より1分遅れの午前10時41分に112番スポットから出発。午前11時にC滑走路(RWY34R)から離陸した際、左側の第1エンジンから出火したため、航空管制上の優先権を得て、千葉県房総半島沖を旋回して燃料を減らした後、午後0時9分にA滑走路(34L)へ緊急着陸した。同13分に908番スポットに到着し、乗客233人と乗員15人(パイロット3人、客室乗務員12人)にけがはなかった。
国交省によると、エンジンを分解した際に鳥の死骸は見つからず、エンジン内後方のタービンブレードに損傷箇所があったという。JALによると、内視鏡などを使ったエンジン内の検査を進めている。
また、現時点では航空事故につながりかねない「重大インシデント」に認定されていないため、国交省の運輸安全委員会(JTSB)による調査官派遣には至っていない。国交省は、原因究明までにはしばらく時間がかかるとの見方を示している。
777-300ERは、航空機用エンジンとして世界最大のGE製GE90-115Bを、左右の主翼に1基ずつ計2基搭載。エンジンが1基停止しても洋上飛行が可能な「ETOPS(イートップス)」を取得しており、1基でも一定は時間飛行できる仕様になっている。
JL006便はその後、別の機材(777-300ER、JA741J)に変更し、定刻から6時間35分遅れとなる5日午後5時15分に、乗客227人と乗員15人を乗せて羽田を再出発。目的地であるニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港には、現地時間5日午後5時24分に到着した。
関連リンク
日本航空
・国交省、JL006便トラブルを重大インシデント認定 タービンブレード損傷(17年9月7日)
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