ロールス・ロイスは、エアバスが開発中の大型機A350-1000型機用エンジン「トレントXWB-97(Trent XWB-97)」が、EASA(欧州航空安全局)から実機飛行に対する認証を取得したと現地時間8月31日に発表した。今年後半の商業運航開始が現実的になった。
A350 XWBは標準型のA350-900と長胴型のA350-1000、短胴型のA350-800の3機種で構成。このうちA350-800については計画を見直し、開発しない方針を示している。メーカー標準座席数は、A350-900が3クラス325席、A350-800が同280席であるのに対し、A350-1000は同366席に増え、最大座席数は440席となっている。
A350-1000はエアバスの双発旅客機では最大の機種で、エンジンはトレントXWB-97を2基搭載。主脚のタイヤは、従来の1脚あたり4本から6本に増やした。パリ航空ショー出展後の7月、アラブ首長国連邦のアルアイン国際空港で高温環境試験を実施し、成功裏に完了した。
ロールス・ロイスは、A350用エンジンを独占供給。A350-900用のトレントXWB-84は推力8万4000ポンドで、今回認証を取得したトレントXWB-97は9万7000ポンドとなる。同社によると、推力増加は、新しい高温タービン技術と、より大きなエンジンコア、先進的なファンの空力特性の組み合わせにより達成したという。
A350は7月末現在、848機受注。内訳はA350-900が628機、A350-1000が212機、残り8機はアシアナ航空(AAR/OZ)が発注したA350-800で、これまでに100機のA350-900を引き渡している。
日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)が31機のA350 XWBを2013年10月7日に確定発注。A350-900が18機、A350-1000が13機で、このほかにオプションで25機を購入する。2019年にA350-900の初号機が国内線に就航する予定で、現在保有するボーイング777型機を6年程度で置き換える。
ロールス・ロイスは、8月18日にEASAからボーイング787型機用エンジン「トレント1000」の改良型「トレント1000 TEN」の認証を取得している。トレント1000 TENも、今年後半の商業運航開始を予定している。
関連リンク
Rolls-Royce
ロールス・ロイス
Airbus
エアバス・ジャパン
・A350-1000試験機の機内と飛行展示 写真特集・パリ航空ショー2017(2)(17年7月13日)
・ロールス・ロイス、787新エンジンが認証取得 トレント1000TEN、欧州当局から(17年8月22日)