エアバスは現地時間7月10日、開発中のA350-1000型機の高温環境試験が成功裏に完了したと発表した。
試験はアラブ首長国連邦のアルアイン国際空港で、4日から7日まで実施。エアバスは数年前から同空港で高温試験を行っており、40度以上の気温を観測した中、地上での冷却性能や客室内のシステムの動作状況などを確認した。機体は正常に動作したという。
アルアイン空港での試験には、客室設備を備えた飛行試験2号機(MSN065、登録番号F-WLXV)を投入。同機は6月に開かれたパリ航空ショーにも出展された。3機の飛行試験機を使って約1年間の試験を実施し、年末までに商業飛行開始を目指す。
A350 XWBは標準型のA350-900と長胴型のA350-1000、短胴型のA350-800の3機種で構成。このうちA350-800については計画を見直し、開発しない方針を示している。
A350-1000はエアバスの双発旅客機では最大の機種で、エンジンはロールス・ロイス製Trent XWB-97を2基搭載。主脚のタイヤは、従来の1脚あたり4本から6本に増やした。
メーカー標準座席数は、A350-900が3クラス325席であるのに対し、胴体を延長したことで同366席に増え、最大座席数は440席となっている。
日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)が31機のA350 XWBを2013年10月7日に確定発注。A350-900が18機、A350-1000が13機で、このほかにオプションで25機を購入する。2019年にA350-900の初号機が国内線に就航する予定で、現在保有するボーイング777型機を6年程度で置き換える。
A350-1000
・A350-1000、初の長距離飛行 12時間、ヴァージンCAらと(17年5月15日)
・A350-1000、高温燃料でエンジン試験(17年5月9日)
・A350-1000、水浸しで走行試験(17年4月18日)
・エアバス、A350-1000の騒音試験 離着陸時、スペイン南部で(17年4月10日)
・A350-1000、マイナス30度で低温試験 カナダで(17年2月22日)
・エアバス、A350-1000の初飛行3機目 試験機すべて揃う(17年2月9日)
・エアバスA350-1000、3号機も初飛行(17年1月11日)
・エアバス、A350-1000初号機が初飛行 JALも導入(16年11月24日)
・エアバス、カーボン模様のA350-1000ロールアウト 飛行試験2号機(16年9月25日)
・エアバス、A350短胴型中止へ 777のシェア奪取へ(16年6月1日)
JAL
・JAL、国内線からA350導入 19年度から777置き換え(17年4月28日)
・日航、A350で777置き換え 777X採用ならず(13年10月7日)