スカイマーク(SKY/BC)の2017年3月期通期決算(非連結)は、純利益が67億7500万円(16年3月期は392億5200万円の純損失)となり、2013年3月期以来、4期ぶりに通期で黒字となった。
—記事の概要—
・自己資本比率18.5%
・連続式耐空証明取得が課題
自己資本比率18.5%
2017年3月期の売上高は755億9500万円(16年3月期比4.9%増)、営業利益が67億1800万円(4.4倍)、経常利益が75億3300万円の黒字(3.8倍)。売上高のうち736億400万円が旅客収入で、残り19億9100万円が付帯収入だった。
営業費用は前期(16年3月期)比2.4%減の688億7700万円で、このうち108億400万円が燃油費だった。営業利益率は6.8ポイント上昇し8.9%となった。
現預金残高は3倍となる157億9100万円で、総資産は1.3倍の573億7600万円、純資産は2.9倍の105億8900万円。自己資本比率は10ポイント上昇し、18.5%になった。また、社員数は3.5%増の2055人となった。
旅客数は前期比11.9%増の673万4219人、提供座席数は0.5%増の795万8274席、ロードファクター(座席利用率)は7.8ポイント上回る84.2%だった。平均単価は7.6%減の1万934円で、ユニットレベニュー(RASK)が1.2%増の8.69円、ユニットコストが5.4%減の8.12円となった。
連続式耐空証明取得が課題
市江正彦社長は7月7日、「純資産が100億円を超えた。自己資本比率が30%までがんばれば健全な会社になる」と語った。また、運航面では定時性について「徐々に良くなっており、今は90%を超えた。定時性日本一を目指す」と述べた。
機材は現在ボーイング737-800型機(1クラス177席)が26機。いずれもリース導入で、このうち23機で羽田、札幌(新千歳)、仙台、茨城、中部(セントレア)、神戸、福岡、長崎、鹿児島、那覇の10空港に直行便18路線を運航している。737-800を3機追加発注済みで、2018年に1機、2019年に2機受領し、既存機を置き換える。
機材面で現在の課題となっているのが、国土交通省からの連続式耐空証明の取得だ。現在は毎年義務付けられている耐空証明検査を受けるため、1機あたり年間3日から4日程度の運休が必要になっている。安全・整備管理体制や機体の維持管理などについて、国交省が適切と判断した場合、連続式耐空証明をもって、検査を毎年受ける必要がなくなる。
市江社長は、「連続式耐空証明を取得できれば24機ぐらいは飛ばせる」として、連続式耐空証明の取得を目指していると語った。
2017年度内としている、国際線チャーターについては、「まだ検討段階。中国、韓国、台湾、グアムが候補でどこにするかだが、もう少し時間がかかる」と述べるにとどめた。スカイマークは2020年までの再上場を目標に掲げており、国際線進出は成長戦略を描く上で、不可欠としている。
一方、出資するANAホールディングス(9202)をはじめとするANAグループからの出向者については、市江社長は「もともと13人来ていたが、現在は12人。増やすお願いは考えていない」と述べ、スカイマーク自身が成長していくことを重視する姿勢を示した。
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スカイマーク
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