北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)は、足もとが広くなった革製新シートに換装したサーブ340B型機(1クラス36席)の1機目(登録番号JA01HC)を7月9日に就航させる。HACはサーブを3機保有しており、12日までに全機が新シートになる。
HACは、旧日本エアシステム(JAS、現JAL)と北海道による第3セクターとして、1997年9月設立。1998年3月に就航した。シートは就航以来、北海道をイメージしたラベンダーカラーのものだったが、初めて換装された。
新シートは英アクロ社製で、これまで下部にあったシートポケットを上部に設置することで、ひざ元のスペースを確保。座席数は従来と同じ1クラス36席で、シートピッチも30インチのままだが、薄型シートになったことで足もとが約6センチ広くなった。シートカラーはダークグレーで、フライトが短時間であることから、リクライニングしない仕様になっている。
従来のラベンダーカラーのシートは、B/Eエアロスペース製だった。通常新しいシートに載せ替えた場合、国土交通省航空局(JCAB)からSTC(Supplemental Type Certificate、追加型式設計承認)を取得する必要があるが、今回のシートは取得不要で、換装するだけで運航に復帰できる。
新シートへの換装作業は、7月4日から6日まで3日間かけて行われた。HACは現在、同じJALグループで鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューター(JAC/JC)に整備を委託しており、今回はJACの整備士8人がHACの拠点である札幌の丘珠空港で、作業にあたっている。2機目(JA02HC)は11日、3機目(JA03HC)は12日に運航開始を予定している。
新シート機による初便は、9日の札幌(丘珠)発函館行きJL2743便で、午前9時に丘珠を出発する。
*HAC初のシート換装作業に密着した特集の前編はこちら。
*特集後編はこちら。
初日の運航スケジュール
JL2743 札幌丘珠(09:00)→函館(09:40)
JL2742 函館(10:10)→札幌丘珠(10:50)
JL2863 札幌丘珠(11:20)→釧路(12:05)
JL2862 釧路(12:35)→札幌丘珠(13:25)
JL2885 札幌丘珠(14:15)→利尻(15:10)
JL2884 利尻(15:40)→札幌丘珠(16:35)
JL2869 札幌丘珠(17:15)→釧路(18:00)
JL2868 釧路(18:35)→札幌丘珠(19:25)
関連リンク
北海道エアシステム
SAAB 340B
Acro
写真特集・HACのサーブ340B新シート換装作業
前編 20分間で全席機外へ運び出す(17年7月10日)
後編 ラベンダーからシックなグレーに(17年7月15日)
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