国土交通省は11月30日、2013年3月から増枠する羽田空港の国内線発着枠(スロット)1日25枠(年間2万回、1日25便分)の航空各社への配分を発表した。全日本空輸(ANA、9202)が8枠、日本航空(JAL、9201)が3枠となり、優先配分がなくなった新規航空会社4社は2枠から5枠の配分となった。ANAは前回2010年10月配分の9枠と同等になったのに対し、JALは経営破たんの影響で前回の7枠からおよそ半減した。
新規4社はスターフライヤー(SFJ、9206)が5枠、スカイマーク(SKY、9204)が4枠、スカイネットアジア航空(ソラシド エア、SNJ)が3枠、エア・ドゥ(ADO)が2枠。非幹線の路線数などネットワーク規模や経営の効率性、安全面などの項目で、4社に得点の差が出た。SFJは最後発で保有機材が12機に満たない点が考慮された。
各社の得点は54点満点中、ANAが15.4点、JALが11.4点、SFJが9.1点、SKYが8.5点、SNJが6.2点、ADOが3.3点だった。JALは破たんの影響により、安全確保と行政処分の2項目以外は再生支援を受けていた期間に相当する44%分が減点され、6.9点になった。この点数に基づき、25枠が各社に配分された。
配分後の発着枠数は出発枠または到着枠のみは0.5便とカウントして、JALが183.5便(現在180.5便)、ANAが171.5便(163.5便)、SKYが36便(32便)、SNJが25便(22便)、ADOが23便(21便)、SFJが19便(14便)となった。
羽田の発着枠は、1便あたり20億円から30億円の増収効果が見込めると言われている。
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国土交通省
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