エアバスは、6月19日から25日までパリで開催される世界最大の航空宇宙ショー「パリ航空ショー」に、開発中の大型機A350-1000型機などを出展する。
飛行展示を実施するのは、A350-1000と小型機A321neo、総2階建ての超大型機A380、グループの防衛宇宙部門エアバス・ディフェンス・アンド・スペースの軍用輸送機A400M。A350-1000とA321neoは、航空ショー初出展となる。4機種とも、地上展示も行う。
A350-1000はA350 XWBファミリーの長胴型で、エアバスの双発旅客機では最大の機種。エンジンはロールス・ロイス製Trent XWB-97を2基搭載している。胴体を延長したことで、標準型のA350-900よりも乗客を40人以上多く乗せることできる。主脚のタイヤは、従来の1脚あたり4本から同6本に増やした。
メーカー標準座席数は、標準型のA350-900が3クラス325席であるのに対し、A350-1000が同366席。最大席数は440席となっている。
日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)が31機のA350 XWBを2013年10月7日に確定発注。A350-900が18機、A350-1000が13機で、このほかにオプションで25機を購入する。2019年にA350-900の初号機が国内線に就航する予定で、現在保有する777を6年程度で置き換える。
A321neoは、小型機A321に新型エンジンを搭載し、燃費や航続距離などを改善した機体。1クラス時の標準座席数は240席で、標準型のA320neoの189席より51席多い。エンジンは米プラット・アンド・ホイットニー(PW)製「PW1100G-JM」と、CFMインターナショナル製「LEAP-1A」のいずれかを選択できる。
日本の航空会社では、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が、26機発注済み。2017年度から2023年度にかけて受領する。ANAは、A380も2019年度から3機導入し、成田-ホノルル線に投入する。
エアバス・ディフェンス・アンド・スペースはA400Mのほか中型輸送機C295、戦闘機ユーロファイター「タイフーン」を、エアバス・ヘリコプターズはH130や、同社が設計した設計するアビオニクス「Helionix」装備のH135、H145Mなどの展示を予定している。
パリ航空ショーは2年に一度開催される世界最大の航空宇宙ショーで、1909年にスタート。52回目となる今回は、6月19日から25日までパリ郊外のル・ブルジェ空港で開かれる。
日本からは、三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「MRJ」の実機を初出展。ローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)のカラーをまとった機体を地上展示するが、飛行展示は行わない。また、海上自衛隊の哨戒機「P-1」も初出展となり、飛行展示を予定している。
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International Paris Air Show
Airbus
エアバス・ジャパン
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