零戦(ゼロ戦)の愛称で呼ばれる零式艦上戦闘機22型(製造番号:三菱第3858号)が、6月3日と4日に千葉県の幕張海浜公園で開かれた「レッドブル・エアレース千葉2017」に特別参加した。東京湾上空を零戦が飛行したのは、約70年ぶりとなった。
今回飛行した零戦は、三菱重工業(7011)が1942年に製造。全長9.06メートル、全幅12メートル、重量1863キロ、最高時速540.8キロで、1970年代にパプアニューギニアで発見された残骸をロシアで復元した。エンジンは、オリジナルの栄エンジンが修理できる状態ではなかったため、プラット・アンド・ホイットニー(PW)社製のものに換装されている。
現存する飛行可能な零戦の復元機体は、レプリカを除くと全世界で4機で、すべてが米国籍。エアレースへの参加は、零戦の永年保存を目指すゼロエンタープライズ・ジャパン(東京・品川区)が立ち上げた「零戦里帰りプロジェクト」の一環で実施した。機体はゼロエンタープライズの米国法人が所有している。
東京湾上空の里帰りフライトでは米国在住の日本人パイロット、柳田一昭さん(66)が操縦桿を握った。
ゼロエンタープライズは2016年5月、鹿児島県内で零戦の試験飛行を実施。熊本地震の復興支援で、熊本空港にも着陸している。
レッドブル・エアレースは、レースパイロットが飛行技術を競う世界選手権大会で、唯一の日本人パイロットである室屋義秀選手も出場。室屋選手は4日、昨年に続いて優勝して今季2勝目を挙げ、年間総合順位で1位となった。大会には零戦のほか、世界一周に挑戦しているダグラス(現ボーイング)DC-3型機(登録番号HB-IRJ)や、陸上自衛隊のヘリコプターなども参加した。
関連リンク
レッドブル・エアレース千葉2017
零戦里帰りプロジェクト
零戦
・零戦、東京湾上空を飛行 6月、レッドブル・エアレース参加へ(17年5月9日)
・零戦、鹿児島上空を飛行 27日から3日間(16年5月23日)
DC-3
・ブライトリングのDC-3、福島に飛来 元ANAパイロットとCA招待「柔らかい乗り心地」(17年5月28日)
・77歳のDC-3、神戸から大阪上空飛行 ブライトリング、世界一周挑戦の旅で(17年5月19日)
アクロバットのパイロットがピーチに転職
・「A320で編隊飛行できるのはピーチだけ」 特集・ピーチ社員から見た就航5周年(4)元アクロバット操縦士、横山真隆の場合(17年5月9日)