ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は5月17日、仙台空港を拠点(ハブ)化し、2路線を新規開設すると発表した。9月に札幌と台北(桃園)に乗り入れる。ピーチの仙台路線は拠点化により3路線となり、東北地方への訪日需要拡大を図る。
*札幌線初便の記事はこちら。
札幌1日2往復、台北週4往復
9月24日から拠点化を開始する。札幌線は同日から1日2往復、台北線は翌25日から週4往復を運航する。拠点化により夜間駐機も可能となるが、6月にエアバスA320型機の19号機(登録番号JA819P)を受領することから、機材繰りにより夜間に駐機しないスケジュールで運用する。
札幌行きは仙台を午前と午後に出発する。午前発のMM413便は午前10時に出発し、午前11時15分に札幌に到着する。午後発のMM417便は午後2時45分に出発し、午後4時に札幌に到着する。
仙台行きは札幌を正午と夕方に出発する。正午発のMM414便は午後1時5分に仙台に到着。夕方発のMM418便は午後5時に出発し、午後6時5分に仙台に到着する。
台北線は月曜と火曜、木曜、土曜に運航する。台北行きMM775便は午後4時55分に出発し、午後8時に到着する。仙台行きMM776便は台北を午前11時に出発し、午後3時30分に到着する。同路線は、日本のLCCとしては初めてとなる仙台からの国際線となる。
両路線とも、航空券は5月24日から販売を開始する。片道運賃は、札幌線が4290円から、台北線は7580円から設定する。
井上CEO「東北の潜在需要認識」
5月17日に宮城県庁で会見に臨んだピーチの井上慎一CEO(最高経営責任者)は、「仙台を含む、東北地方の潜在需要の大きさを認識している」と述べた。「ピーチがお客さまを、仙台までお連れする。仙台からお連れする」とし、東北地方の地域活性化や東日本大震災からの復興を支援したいと続けた。
台北線は週4往復で運航を開始する。週7往復への増便に向け、井上CEOは「継続して協議を進める」とし、早期のデイリー化を目指す意向を示した。
当初、既存の関西線を含め、3路線で拠点化を開始する。井上CEOは仙台からの路線数について、「たくさん飛ばしたい。状況を見て」と述べるに留め、「(14年7月に拠点化した)那覇を参考にしてもらいたい」と続けた。ピーチは那覇拠点化後、国内2路線、国際3路線を開設した。
宮城県の村井嘉浩知事は、価格を聞いて驚いたと述べ、「拠点化をしてもらったので、ピーアールに努めたい」と国内外への売り込み強化を明言した。仙台国際空港会社の岩井卓也社長は「仙台発着路線が3路線に増え、気軽に東北に来られるようになる」ととし、「新しい航空需要が拡大する」と期待を寄せた。
ピーチは2013年4月12日、関西-仙台線の運航を開始。当初1日2往復でスタートし、繁忙期に増便しつつ、現在も2往復を維持している。ピーチの仙台線は1路線のみで、同路線はピーチの単独路線となっている。
ピーチの空港拠点化は就航当初の関空、2014年7月19日の那覇に次いで3カ所目となる。仙台の拠点化計画は2015年3月に発表し、2018年度には新千歳の拠点化も予定している。
現在、仙台-札幌線は3社が1日13往復を運航している。日本航空(JAL/JL、9201)が5往復、全日本空輸(ANA/NH)とエア・ドゥ(ADO/HD)が4往復ずつで、このうちエア・ドゥの4往復はANAとコードシェアを実施している。
仙台-台北線は2社が週8往復を運航。いずれも台湾の航空会社で、エバー航空(EVA/BR)とLCCのタイガーエア台湾(TTW/IT)が週4往復ずつを運航している。
運航スケジュール
仙台→札幌
MM413 仙台(10:00)→札幌(11:15)
MM417 仙台(14:45)→札幌(16:00)
札幌→仙台
MM414 札幌(12:00)→仙台(13:05)
MM418 札幌(17:00)→仙台(18:05)
仙台-台北
MM775 仙台(16:55)→台北(20:00)運航日:月火木土
MM776 台北(11:00)→仙台(15:30)運航日:月火木土
関連リンク
ピーチ・アビエーション
仙台国際空港
札幌線就航
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