「成長というものを誤解していただきたくない。一般的には、規模や売上高を競うものだと思われるが、われわれの目指すものは企業理念の達成であり、世界で一番選ばれ愛される航空会社となること」。4月3日、東京・羽田の格納庫で開いた入社式で、日本航空(JAL/JL、9201)の植木義晴社長は1672人の新入社員を前に、こう訓示した。
2010年1月19日に経営破綻したJALは、国土交通省航空局(JCAB)が2012年8月10日に示した文書「日本航空への企業再生への対応について」(いわゆる8.10ペーパー)に基づき、新規の大型投資や新路線開設が、今年3月末まで監視対象になっていた。
4月28日に発表した2017年3月期通期の連結決算は、売上高が前期(16年3月期)比3.6%減の1兆2889億6700万円、営業利益は18.6%減の1703億3200万円、経常利益は21.1%減の1650億1300万円、純利益は5.9%減の1641億7400万円と減収減益。2016年4月に発生した熊本地震による国内線の減収のほか、エンジンの整備費や人件費の増加が減益要因となった(関連記事)。
そして同日、2017-20年度の中期経営計画を発表。機材面では、エアバスA350-900型機を国内線から導入するといった記載があったが、“規模や売上高を競う”ものとは異なっていた。8.10ペーパー後、初となる中期計画で、JALはどのような未来像を描いたのだろうか。
—記事の概要—
・世界のJALへ
・国際線:フルフラット路線拡大
・国内線;那覇にもDPラウンジ
・植木社長「長く続けてよいものだと思わない」
*ANAの中期計画はこちら。
世界のJALへ
2012年2月15日に発表した2012-16年度の中期計画で、5年連続で営業利益率10%以上、2016年度末の自己資本比率50%以上とした財務目標は、ともに達成。2017年3月期は営業利益率13.2%、自己資本比率56.2%に達した。
2017年度からはこうした強固な財務基盤を背景に、世界のマーケットに打って出る。主に日本人が利用する日本の航空会社から、世界各国の利用者が乗る日本の航空会社を目指す。同時に、他の航空会社に先駆けて価値を創造する航空会社を目指す。
海外市場ではプレゼンスを高め、国内では競合他社や新幹線のような他の交通機関と比較した際に選ばれる航空会社を目指す。こうした中で、自社の強みを生かした新たな収益源を確保していく。
経営企画本部長の西尾忠男常務執行役員は、「成長
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