全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、2016-2020年度中期経営計画の2017年度ローリング版を4月28日に発表した。2020年度の売上高は2兆1600億円、営業利益は2000億円、営業利益率は9.3%を目標に掲げ、国際線の収入は2015年度比40%増の7200億円規模、LCC事業は9.6倍の2000億円規模を目指す。
ANAHDは2月24日、当時持分法適用会社だったLCCのピーチ・アビエーション(APJ/MM)を連結子会社化すると発表。出資比率を38.7%を67.0%に引き上げ、4月に子会社化した。旧エアアジア・ジャパンを前身とする100%子会社のバニラエア(VNL/JW)と合わせ、グループ内に2社のLCCを子会社として擁することになった。
2社のLCCも含むANAグループの総機材数は、2016年度末の268機が2020年度には335機に増える。今回の中期計画では、フルサービス航空会社(FSC)であるANAと、LCCの2社をどのように成長させていくのだろうか。
—記事の概要—
・国際線:リゾート強化
・国内線:プレミアムクラス刷新へ
・LCC:ピーチのノウハウ共有懸念
*JALの中期計画はこちら。
国際線:リゾート強化
ANAの国際線生産量は、2017年度の座席供給量を示すASK(有効座席キロ)647億7800万席キロを、2020年度は約3割増加させる。羽田と成田両空港を拠点とする「首都圏デュアルハブ戦略」を継続し、羽田の深夜早朝枠も活用した展開を図る。
短距離国際線には、2016年12月に受領を開始したエアバスA320neoを投入し、2019年度からは成田-ホノルル線に総2階建ての超大型機エアバスA380型機を就航させる。
日本航空(JAL/JL、9201)との競争が激しいホノルル
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