ボーイングは現地時間4月13日(日本時間14日)、開発中の小型機737 MAX 9の初飛行を成功させた。今後は試験を重ね、2018年の引き渡しを目指す。
初飛行したのは、737 MAX 9の飛行試験初号機(登録番号N7379E)で、午前10時52分(日本時間14日午前2時52分)にワシントン州のレントン市営空港を離陸。2時間42分飛行し、午後1時34分、シアトルのボーイング・フィールド(キング郡国際空港)に着陸した。操縦士2人が操縦装置とシステム、操縦性をテストした。
737 MAXは737の発展型で、新型エンジンを採用した4機種で構成。標準型は2016年1月29日に初飛行した737 MAX 8(1クラス最大189席)で、日本の航空会社も多数導入している737-800の後継となる。737 MAX 8をLCC向けに座席数を増やした737 MAX 200(同200席)、もっとも胴体が短い機体で737-700の後継となる737 MAX 7(同172席)、胴体がもっとも長い737-900ERの後継機737 MAX 9(同220席)がある。
3月6日には、737 MAX 9の胴体を延長し、1列に6席ある座席を2列増やすことで12席上積みする、737 MAX 10Xの開発を検討していることを明らかにした。開発が今年スタートした場合、2020年に就航できる見通しで、737 MAXファミリーでは5機種目となり、胴体が最長の機種になる。
737 MAX 8のローンチカスタマーである、サウスウエスト航空(SWA/WN)への量産初号機引き渡しは、今年4-6月期(第2四半期)を計画。737 MAX 7と737 MAX 200は2019年の商業運航開始を目指す。
エンジンは、CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用し、翼端には新型ウイングレット「アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット」を備える。1990年代後半に登場した、737-800など現行の737NG(次世代型737)ファミリーと比べて燃費を20%改善する。
3月末時点で、737 MAXファミリーは世界の83顧客から3703機の受注を獲得。競合のエアバスが開発したA320neoファミリーは、5056機を3月末時点で受注しており、次世代小型機の受注はエアバスがリードしている。
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ボーイング・ジャパン
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