エンブラエルは現地時間4月5日、次世代リージョナルジェット機「E2」シリーズのIFEC(機内エンターテインメント・コネクティビティ)として、米パナソニックアビオニクス製のシステムを採用すると発表した。
—記事の概要—
・ストリーミングやネット接続提供
・MRJ最大のライバル
ストリーミングやネット接続提供
エンブラエルとパナソニックは、すでにE2シリーズ用にWi-Fi機器を使ったストリーミングによるエンターテインメントや、Wi-Fi機器による接続サービスを提供することで提携しており、今回の契約でパートナーシップを拡大した。
ワイヤレスのIFE(機内エンターテインメント)システムや、機内インターネット接続サービスをE2シリーズで提供する。
両社は8年間の関係を強化することで、E2シリーズの付加価値を向上。パナソニックのシステムによるブロードバンド接続やライブ放送、携帯電話サービスは、全航空路の99.6%以上で利用できるという。
MRJ最大のライバル
E2シリーズは、現行のエンブラエル170(E170)とE175、E190、E195で構成する「Eジェット」の後継機。E190-E2のほか、E175-E2とE195-E2の3機種で構成する。日本の三菱航空機が開発中の「MRJ」にとっては、最大のライバルとなる。
メーカー標準の座席数は、E190-E2が1クラス106席、2クラスでは97席。2019年納入開始のE195-E2は1クラス132席、2クラス120席で、2021年に引き渡しを始めるE175-E2は1クラス88席、2クラス80席となる。
E2シリーズはMRJと同じく、低燃費と低騒音を特徴とする米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)製GTFエンジンを採用。推力の違いにより、E175-E2がPW1700G、E190-E2とE195-E2がPW1900Gを搭載し、新設計の主翼との組み合わせで燃費や騒音を改善する。
E2シリーズは2013年6月に開発がスタートし、これまでに航空会社とリース会社から690機の受注を獲得。内訳は275機が確定発注、415機がオプションや購入権となっている。
E190-E2は2016年2月25日にロールアウト。予定を前倒しし、3カ月後の同年5月23日に初飛行に成功している。今年3月7日には、E195-E2もロールアウトしている。
E190-E2の量産初号機は、2018年前半にノルウェーの地域航空会社、ヴィデロー航空(WIF/WF)が受領する見通し。一方、MRJの量産初号機納入は、2020年半ばとなる見込み。
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