日本航空(JAL/JL、9201)は4月1日、羽田-ニューヨーク線を1日1往復で就航させた。成田空港が開港した1978年5月20日以来、約38年10カ月ぶりに羽田発着のニューヨーク線が復活した。
—記事の概要—
・国内線との接続重視
・「どうしても東海岸へ飛ばしたかった」
国内線との接続重視
東京とニューヨークを結ぶJAL便は、羽田と成田から1日1往復ずつ計2往復運航。羽田線の機材は、ボーイング777-300ER型機「スカイスイート777」で、座席数はファースト8席、ビジネス49席、プレミアムエコノミー40席、エコノミー147席の4クラス244席となる。
運航スケジュールは、ニューヨーク行きJL006便が羽田を午前10時40分に出発し、同日午前10時35分着。羽田行きJL005便は午後1時10分に出発し、翌日午後4時25分に羽田へ到着する。5月から8月は、JL006便が10分遅着、JL005便は15分遅発となる。羽田を午前発、夕方帰着とすることで、国内27空港へ同日乗り継ぎが出来る。
一方、成田発着で残るJL004/003便は、機材をこれまでの787-8(3クラス161席)から777-300ER(4クラス244席)へ大型化。成田発が夜、ニューヨーク発が昼前であることから、アジアと北米間の接続需要の取り込みを図る。
JALの東京-ニューヨーク線は、2016年11月12日に就航50周年を迎えた。初便は1966年11月12日に羽田から就航。ホノルルとサンフランシスコを経由してニューヨークに向かった。機材はマクドネル・ダグラス(現ボーイング)DC-8型機「SETO」号(登録番号JA8015)だった。
東京からニューヨークまでの飛行時間は、就航当初はおよそ19時間だったが、現在は13時間に短縮。ニューヨークから東京までは22時間を要したが、14時間半となった。
1日の初便JL006便(777-300ER、登録番号JA735J)は、乗客205人と乗員17人(パイロット3人、客室乗務員14人)の計222人を乗せ、午前10時41分に112番スポット(駐機場)を出発。C滑走路(RWY34R)から午前11時3分に離陸し、ニューヨークへ向かった。
初便出発前には、搭乗口前で、JAL社員有志が音楽とダンスを披露。1966年の羽田-ニューヨーク線就航当時、客室乗務員が着用していた女性用3代目制服、男性用2代目制服、成田へ移る際に着用していた女性用6代目制服を着用した客室乗務員が乗客を出迎えた。
「どうしても東海岸へ飛ばしたかった」
JALの植木義晴社長は「首都圏からビジネスや観光でニューヨークを訪れる方だけではなく、国内線を使い当日のうちに羽田から各地へ行っていただいたり、(全国各地から)ニューヨークへ行っていただけるよう、利便性を高めた」と、乗り継ぎを考慮した運航スケジュールであることをアピールした。
また、JALは3月31日まで国土交通省航空局(JCAB)が2012年8月10日に示した文書「日本航空への企業再生への対応について」(いわゆる8.10ペーパー)に基づき、新規の大型投資や新路線開設が監視対象になっていた。
植木社長は「羽田からどうしても東海岸に飛ばしたかったので、8.10ペーパーが3月末で終焉(しゅうえん)を迎えるのを意識し、4月1日からとさせていただいた」と語った。
JALは2010年1月19日に経営破綻。企業再生支援機構の支援により、2012年9月19日に東京証券取引所第1部へ2年7カ月ぶりに再上場を果たした。再上場により、機構は保有する1億7500万株をすべて売却し、出資した3500億円の約2倍にあたる額を国庫に返納している。
一方、発着枠の関係でJALは羽田-ホノルル線を1日から運休。成田発着に変更した。
ニューヨーク線運航スケジュール
羽田-ニューヨーク線
JL006 羽田(10:40)→ニューヨーク(10:35)
JL005 ニューヨーク(13:10)→羽田(翌日16:25)
成田-ニューヨーク線
JL004 成田(18:25)→ニューヨーク(18:20)
JL003 ニューヨーク(11:30)→成田(翌日14:40)
関連リンク
スカイスイート 777(日本航空)
日本航空
ニューヨーク線と8.10ペーパー
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発着枠配分
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