関西空港と伊丹空港を運営する関西エアポートは3月31日、同社と2空港の新しいロゴマークを発表した。利用者のストレスを減らし、楽しみを増やすことを重視するという。
新ロゴは、水色に近い青と深いピンク寄りの赤を用い、濃紺の文字を配した。青は安心感や快適性、赤はワクワク感を表現し、バランスよく両立しているイメージをデザインしたという。また、スローガンとして「Shaping a New Journey(新しい旅の体験を創造しつづける)」を掲げた。
関西エアポートは、オリックス(8591)と仏空港運営会社ヴァンシ・エアポートのコンソーシアム(企業連合)が2015年12月に設立。資本金は250億円で、オリックスとヴァンシが40%ずつ、残り20%を関西を拠点とする企業・金融機関30社が出資する。
関空と伊丹の運営は、国に所有権を残したまま運営権を売却する「コンセッション方式」で関西エアポートへ委託されており、空港用地や施設は、新関空会社と関西国際空港土地保有会社が所有する。契約期間は、2015年12月15日から2060年3月31日までの44年間の予定で、2016年4月1日から両空港の運営を始めた。
関西エアポートの山谷佳之社長は、新ロゴについて「本当であれば昨年の4月1日に発表したかったが、時間がなかった。夏ごろから検討を始め、10種類くらいから選んだ」と述べた。
1年目を終えるにあたり、山谷社長は「昨年8月に『はしか』が流行する兆しがあったことが大変だった。一方、第2ターミナルの国際線ターミナルなど、いろいろな新しい取り組みを利用者に披露できたことはうれしかった」と振り返った。
2年目の課題については、「1年目の半分は助走期間だった。今までの考え方を変え、既存の空港から新しいものに変えていく」と語った。
関西エアポートが利用者のストレスを減らすとアピールする一方、乗り入れる航空会社からは、民営化前よりも協議に時間が掛かるようになったなど、同社に対する不満の声が聞かれる。利用者の目が届きにくい、航空会社との関係改善も2年目の課題と言えそうだ。
30日は新ロゴ発表後、関空と伊丹両空港で利用者への謝恩イベント「スマイリング・デイ」を開いた。年に1回、両空港を含むヴァンシが運営する世界35空港で開催されるもので、両空港は初めて開催した。関空では、和服を着た山谷社長らが利用者に駄菓子の「うまい棒」などを配った。
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