ボーイングの次世代小型機737 MAX 8が現地時間3月9日、FAA(米国連邦航空局)から型式証明を取得した。数カ月以内に、量産初号機をサウスウエスト航空(SWA/WN)へ引き渡す見通し。
737 MAXは、2011年8月30日にローンチ。CFMインターナショナルの新型エンジン「LEAP-1B」を採用し、翼端には新型ウイングレット「アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット」を備える。標準型は、2016年1月29日に初飛行した737 MAX 8(1クラス189席)で、日本の航空会社も多数導入している737-800の後継機となる。
このほかに、737 MAX 8をLCC向けに座席数を増やした737 MAX 200(同200席)、もっとも胴体が短い機体で737-700の後継となる737 MAX 7(同172席)、737-900ERの後継機で7日にロールアウトした737 MAX 9(同220席)がある。
また、ボーイングは6日、737 MAX 9の胴体を伸ばした737 MAX 10Xの開発検討を明らかにしている。
737 MAX 8は飛行試験機を4機製造。地上試験や実験室試験も実施してきた。量産初号機の引き渡しは、今年4-6月期(第2四半期)を計画しており、機体の安全性を証明する型式証明を取得したことで、納入に弾みがついた。
派生型となる737 MAX 9は2018年、737 MAX 7と737 MAX 200は、2019年の商業運航開始を目指す。737 MAX 10Xは、開発が今年スタートした場合、2020年に就航できる見通し。
737 MAXファミリーは1月末時点で、世界の83顧客から3612機の受注を獲得している。
一方、競合するエアバスのA320neoファミリーは、5063機を2月末時点で受注。次世代小型機の受注は、エアバスがリードしている。A320neoは引き渡しも始まっており、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)には、2016年12月15日に初号機(登録番号JA211A)が引き渡されている。
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