日本航空(JAL/JL、9201)が100%出資する整備子会社JALエンジニアリング(JALEC)は2月17日、トヨタ車体の超小型電気自動車(EV:Electric Vehicle)「コムス(COMS)」の導入を羽田空港で開始した。整備士の移動に使用する。コムスの本格導入は、航空業界では初めて。
JALECが導入するのは1人乗りパーソナルタイプの「P・COM」3台で、国際線エリアで使用する。整備士がオフィスや航空機間の移動用に使用してきた、バンタイプの自動車の代わりに導入。今後の追加導入も検討する。
同社では車両の小型化により駐車エリアを縮小でき、作業スペースの拡大を期待する。また電気自動車のため、走行時に二酸化炭素(CO2)を排出しない。
コムスはトヨタ車体が開発した1人乗りの超小型EVで、全長2395ミリ、全幅1095ミリ、全高1500ミリ。家庭用の100ボルト電源で充電できる。6時間でフル充電でき、1回の充電で68キロ走行できる。最高速度は時速60キロ。
現在は各自治体を中心に、観光や地域活性化、カーシェアリングなどへの導入が進んでいる。2015年6月からは、日本郵便が名古屋市内の集配作業に導入し、実証実験を進めている。
航空業界ではピーチ・アビエーション(APJ/MM)が、関西空港内で試験運用。2016年4月から6月まで試験導入していたが、本格導入には至っていない。
関連リンク
JALエンジニアリング
日本航空
超小型EV「コムス」(トヨタ車体)
JALEC関連
・JALとIBM、航空機の故障予測分析 ビッグデータで欠航防ぐ(16年12月8日)
・JAL、整備士の腕競う技能五輪 他人の技から発見も(16年6月21日)
16年4月にピーチ試験運用
・ピーチ、超小型EVの試験運用 6月まで関空(16年4月5日)