エアアジアX(XAX/D7)は2月10日、関西空港経由のクアラルンプール-ホノルル線を6月28日に開設すると正式発表した。弊紙既報の通り、日本からの以遠権を用いるもので、日本からハワイへ向かうLCCの直行便は初めて。
*初便の記事はこちら。
同路線は週4往復で、月曜と水曜、金曜、土曜に運航。既存のクアラルンプール-関西線と同じく、エアバスA330-300型機(377席:プレミアム・フラットベッド12席、エコノミー365席)で運航する。
関空-ホノルル間の運航スケジュールは、ホノルル行き001便は午後11時25分に関空を出発し、午後0時30分にホノルル着。関西行き002便は午後4時にホノルルを出発して、午後8時25分に到着する。
6月28日から2018年2月6日までの渡航期間の運賃は、発売を開始する2月11日から26日までに限り、片道1万2900円で販売。その後は大手と比べて3割以上安い運賃を目指す。
日本とマレーシアは、2011年2月にオープンスカイ(航空輸送の自由化)に合意。2013年からは、首都圏空港(羽田・成田)以外の空港について、以遠権が自由化された。エアアジアXの場合、現在週10往復運航しているクアラルンプールー関西線を以遠権により延伸し、ホノルルへ週4往復乗り入れる。
エアアジアXは2015年4月、米国運輸省(DOT)に関西ーホノルル線の就航を申請。今年1月24日にFAA(米国連邦航空局)から承認を得たと発表した。マレーシア国民の約6割がイスラム教徒であることから、米国当局に安全対策を証明することに時間がかかった。
エアアジアXのベンジャミン・イスマイルCEO(最高経営責任者)は、大手との競争が激しい関空-ホノルル線について、「エアアジアXはすでに羽田と関空、札幌に就航しており、日本市場で新しいものではない。羽田-クアラルンプール線の乗客は25%から30%が日本人で、関空-クアラルンプールも同程度なので、日本人に受け入れられると思う」と自信を示した。
平均搭乗率は80%台半ばを目指すとし、関空-ホノルル間の乗客は、9割を日本人が占めると見込んでいるという。
一方、エアアジアグループのトニー・フェルナンデスCEOはスケジュールの都合で来日せず、2月10日に大阪市内で開かれた会見に出席しなかった。
関空からのハワイ路線は、日本航空(JAL/JL、9201)とハワイアン航空(HAL/HA)、デルタ航空(DAL/DL)がホノルル線を各社1日1往復運航。JALは1月9日からビジネスクラスに新シートを導入した国際線用ボーイング777-200ER型機の新仕様機「スカイスイート777」を投入しており、ハワイアン航空も3月から新仕様のエアバスA330-200型機を就航させる。
運航スケジュール
D7 001 クアラルンプール(14:00)→関西(21:25/23:25)→ホノルル(12:30)
D7 002 ホノルル(16:00)→関西(20:25/22:00)→クアラルンプール(翌日04:00)
エアアジア
・エアアジアX、関空-ホノルル就航 初のLCCハワイ直行便(17年6月29日)
・エアアジアX、関空からハワイ夏就航 大手は新仕様機で対抗(17年2月2日)
・エアアジア・ジャパン、就航時期未定に 安全体制構築で(17年1月30日)
・エアアジアX、X-MEN最新作とコラボ 関空で“超魔術”(16年8月9日)
・「ブランド浸透が必要」札幌就航のエアアジアX イスマイルCEO代行に聞く(15年7月28日)
関西-ホノルル線
・ハワイアン航空、関空にビジネス新シート 3月から、羽田にも(17年2月1日)
・JAL、関空-ホノルル線にスカイスイート777就航 ビジネスはフルフラットに(17年1月10日)
・LCCで関空-ハワイ実現へ 広がる中長距離便(15年7月11日)