MRJ, 機体, 解説・コラム — 2017年2月2日 16:05 JST

三菱航空機、新社長に水谷常務 三菱重工・宮永社長「グループ全体でMRJ推進」

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 リージョナルジェット機「MRJ」を開発中の三菱航空機は2月2日、次期社長に親会社の三菱重工業(7011)から水谷久和・常務執行役員を迎える人事を発表した。4月1日付。森本浩通社長は、3月31日付で退任する。

—記事の概要—
グループ全体で推進
航空・防衛・宇宙はCEO直轄

グループ全体で推進

三菱航空機の新経営体制を発表する三菱重工の宮永社長=17年2月2日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 水谷氏は、1975年に三菱重工入社。2006年4月から名古屋誘導推進システム製作所副所長を務めた。2010年4月からは執行役員となり、航空宇宙事業本部で副事業本部長、2014年4月からは防衛・宇宙ドメイン長に就任した。

 また、三菱重工の執行役員でグループ戦略推進室副室長と交通・輸送ドメイン副ドメイン長を務める篠原裕一氏が、三菱航空機のCEO(最高経営責任者)を兼務する2月1日付の役員体制を発表した。

 MRJの開発体制は2016年11月、三菱重工の宮永俊一社長が直轄する現体制に移行。1月23日には、量産初号機の納入時期を2年延期して2020年半ばにすると発表した。開発体制についても、これまでは助言役にとどまっていた、航空機の開発経験を持つ外国人エンジニアに権限を移譲するとともに、三菱重工グループ全体で取り組んでいく姿勢を示した。

 宮永社長は、「水谷社長は名古屋出身でずっと航空機をやっており、名古屋のさまざまな工場をよく知っている。三菱重工グループ全体の調和の中で適任だ」と、航空機事業に精通する水谷氏が適任であると太鼓判を押した。

 篠原氏の起用については、「長期でやっていくため、彼に全権を委ねる。外国人エキスパートや日本で必死に何十年もやってきた人たちをまとめていく体制を作る。三菱重工がグループとしてMRJを推進していく決意の表われで、体制を一新することでみなさんがもう一回がんばろうという気になってもらうための人事」(宮永社長)と述べ、MRJの開発にグループ全体で取り組むことを強調した。

 三菱航空機の森本現社長の退任理由について、宮永社長は「一人のトップの責任で遅れたのではまったくない。私が直轄するまったく新しい体制で、長期のコミットをしながらやろうねということで、人心一新するためにトップを入れ替えた」と説明。引責との見方を否定した。

航空・防衛・宇宙はCEO直轄

 三菱重工は4月1日から現在5つに分けている事業領域を、「パワードメイン」「インダストリー&社会基盤ドメイン」「航空・防衛・宇宙ドメイン」の3つに再編する。

 現在、航空機事業を担う「交通・輸送ドメイン」のドメインCEOとドメイン長を務める鯨井洋一副社長は、3月31日付で退任。4月に発足する航空・防衛・宇宙ドメインは当面ドメイン長を置かず、CEO直轄で早期の体制確立と収益安定化を目指す。

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