エアライン, ボーイング, 企業, 機体 — 2012年10月26日 08:10 JST

全日空とヤマトHD、アジアへ最短翌日配達 沖縄貨物ハブ活用

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 全日本空輸(ANA、9202)とヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングス(9064)は10月25日、国際物流事業で提携を強化すると発表した。新事業として11月15日からアジア圏への国際宅急便で、書類を最短で翌日配達するサービスを開始。貨物や国際クール宅急便へ順次拡大する。

国際物流事業で提携を強化する全日空の伊東社長(右)とヤマトホールディングスの木川社長=10月25日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 新事業では、ANAが2009年10月から那覇空港で運用している沖縄貨物ハブを活用。羽田空港を経由して日本全国各地から集荷した荷物を、深夜運航の貨物専用機で沖縄ハブへ集約し、翌朝にはアジア各地へ届ける。

 これまで日本から上海などアジア各地へ輸出する場合、成田で輸出通関を行っていたが、通関業務が24時間対応ではないため荷物が客先に届くのは4日後だった。11月からは通関免許を取得した沖縄ヤマト運輸が沖縄ハブ内で通関業務を24時間行うため、2日から3日後には届けられるようになる。

 13年度以降は、アジアや沖縄向けの在庫を沖縄で一括在庫し、沖縄ハブ経由でアジア各地に配送するサービスや、アジア各地からの修理品を各国から宅急便で回収し、沖縄で修理して返送するサービスなどの実現を目指す。

 現在ANAでは、貨物専用機としてボーイング767-300F型機2機と、旅客機から貨物機へ改修した767-300BCF型機7機の計9機を運用。いずれも最大50トンの荷物を搭載でき、沖縄ハブを基点に羽田と成田、関西、ソウル、台北、上海、バンコク、香港の8都市へ深夜運航を行っている。13年度中には767-300BCFを1機増やして10機体制とし、輸送力を増強する。

沖縄貨物ハブで荷物を降ろすANAの767-300BCF=10月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 沖縄ハブ開設3周年を記念して25日に那覇市内で開かれたシンポジウムで、ANAの伊東信一郎社長は「志は良し、ではいけない。利益を出し、なんとしても成功させたい」と黒字化への抱負を語った。「北海道の海産物をバンコクでも食べられるようになる」と、新事業でクール宅急便がアジアに展開されることへの期待を述べた。

 ヤマトホールディングスの木川眞社長は「沖縄はアジアの拠点になれる可能性がある」として、アジアの主要都市が沖縄から4時間圏内にある地理的優位性を指摘。クール宅急便のアジア展開については「アジアの食文化が変わる」と可能性を語った。

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