「JALと強い関係築く」特集・アメリカン航空アイソム社長の日本戦略

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 8月に社長に就任したアメリカン航空(AAL/AA)のロバート・アイソム社長が来日した。現在のアメリカン航空は、2013年12月に旧アメリカン航空とUSエアウェイズ(当時)が合併して発足。アイソム社長は、合併後のUSエアウェイズで最高執行責任者(COO)を務めてきた人物だ。

 アメリカン航空は日本市場への取り組みを強化している。フルフラットになる新シートを採用したビジネスクラスが売りのボーイング777-200ER型機を、日本路線に優先投入。機内食も日本人の好みを意識したものに変えているという。

アメリカン航空のロバート・アイソム社長=16年12月19日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 こうした取り組みを進める上で、アメリカン航空は日本航空(JAL/JL、9201)から指導を仰いだ。両社は2011年4月1日から共同事業(JV)を展開しており、共通運賃や乗り継ぎしやすい運航スケジュールなど、利便性向上で連携している。

 アイソム社長が今回来日した目的のひとつが、JALとの提携関係の強化だ。日本をはじめとするアジア市場への取り組みや、JVとアライアンスの関係、北米と東南アジアを結ぶ直行便、北米の航空会社を中心に後継機選びが難航している中型機ボーイング757型機の動向、ボーイング747-8型機やエアバスA380型機といった4発機の必要性などを、アイソム社長に聞いた。

—記事の概要—
日本市場「攻略難しい」
8.10ペーパー後
アライアンスはJVの土台
4発機「大きすぎ」、757後継「良い機種ない」

日本市場「攻略難しい」

── アメリカン航空の現状は。

アイソム社長:世界最大級の航空会社として、1日7000便を運航しており、1600機を保有している。単に規模が一番大きいのではなく、グレートな航空会社を目指している。

 USエアとの合併も好調だ。機材とは別に機内サービスに30億ドルを投じており、さらなる成長を目指す。過去3年、4日に1機の割合で古い機材を退役させてきた。現在は特に国際線に新仕様機を投入しているところだ。

── 北米の航空会社は新シートなどサービス合戦が繰り広げられている。今後どう迎え撃っていくか。

アメリカン航空のビジネスクラス新シート=16年9月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

アイソム社長:まずは安定的なプロダクトの供給だ。777-200は47機あるが、2017年夏までに新仕様への改修を全機完了させる。指摘されたように、北米の航空会社は新シートやWi-Fiを導入したり、機内エンターテインメントシステム(IFE)の刷新を進めている。その中で勝つためには、サービスの良さと定時性をはじめとする信頼性が重要だ。

 世界のどこへでも飛べるネットワークの強さと、マイレージプログラムも充実していると思う。

── 日本でのビジネスは今後どう展開していきたいか。

アイソム社長:JALとは今までも良好な関係だったが、これまで以上に強い関係を築きたい。われわれの羽田-ロサンゼルス線が昼間帯に移行したこともあり、米国のハブやJALとともに羽田と成田を活用していく。

フルフラットになるアメリカン航空のビジネスクラス新シート=16年9月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 JALとJVを展開しているので、日本人客にフォーカスしたい。サービス改善に向けて、JALに指導していただいた。これまで日本人または日本語が話せる客室乗務員は1便あたり1人だったが、3人から最大5人に増やした。

 機内食やワインのラインナップはもちろん、ラウンジの食事の見直し、案内の日本語化、スタッフの日本人客向けトレーニングも進めてきた。

── 日本は攻略しやすい市場か。

アイソム社長:攻略は難しい。サービスに求めるレベルが非常に高いからだ。日本のお客様に満足していただくのはチャレンジだ。

 しかし、どうやれば良いかのアイデアは4つある。1つ目は投資すること、2つ目はJALの知恵を拝借する、3つ目はトレーニングによりスタッフの質を高める、4つ目は投資に関係するが飛行機だけではなく、空港やラウンジの質も高めること。

── JALとはどういう部分の関係を強化したいのか。

JALとの関係強化で日本市場に挑むアメリカン航空=15年6月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

アイソム社長:JALに匹敵する商品をこちらも提供していく。ビジネスクラスのシートや機内食、サービスの水準をJALに合わせ、定時性の高さもJALとマッチさせる。

 ワイドボディー機(777-200ERの新仕様機)投入などで、目的へ確実に向かっていると思う。機内エンターテインメントやアプリの日本語化も進めている。

── 北米の競合他社は、北米と東南アジアを結ぶ直行便を就航させている。今後増えると考えているか。

アイソム社長:そのような動きがあることは認識しているが、アメリカン航空としては考えていない。

 アメリカン航空にとって東京は世界一の市場だと考えている。そこをバイパスするのは考えられない。そして乗り継ぎ客が多いこともある。これは東京だけではなく、ダラスやシカゴ、ロサンゼルスもそうだ。

── 日本以外のアジアはどう展開していくのか。

アイソム社長:国際線の重要なゲートウェイは、本社のあるダラス・フォートワースとロサンゼルスだ。

 例えばロサンゼルスを見ると1日220便飛んでおり、成長している。東京以外には上海と北京、ソウル、香港へ展開している。これ以上就航都市を広げることは出来ないかもしれないが、JALやキャセイパシフィック航空(CPA/CX)と共同でアジアへお客様を運ぶ。

 一方、中国本土にはワンワールドのパートナーがいないので、パートナーを探していく。

8.10ペーパー後

── 日本の航空当局によるJALに対する規制が、2017年春になくなる。ビジネスチャンスとして捉えているのか、まだやらなければならないことがあると考えているか。

昼間帯に移行したアメリカン航空の羽田−ロサンゼルス線=16年10月30日 PHOTO: Yusuke KOHASE/Aviation Wire

アイソム社長:規制がなくなるということは発展できることであり、喜ばしいことだ。具体的に


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