航空会社のマイルを貯めた際、人気が高いサービスが特典航空券だ。出張で貯めたマイルを使い、休暇ではハワイや沖縄といったリゾート地への特典航空券をゲットする人も多いだろう。
特典航空券と言えば、まず行き先ありき。ところが日本航空(JAL/JL、9201)が12月12日から始めたサービス「どこかにマイル」の行き先は、システムにおまかせ。羽田発着路線が対象で、ウェブサイトで利用日と時間帯、人数を入力すると、4つの候補地が表示される。最終的な行き先は、申し込みから3日以内に通知される仕組みだ。
必要マイルは往復6000マイルで、特典航空券の引き替えで必要となる通常のマイルと比べて半分以下。目的地を決めるシステムは、野村総合研究所(NRI、4307)が開発した。
なぜJALは、行き先はおまかせの特典航空券を作ったのだろうか。開発に携わった路線統括本部マイレージ事業部アシスタントマネジャーの馬場宗吾さんと、NRIのサービス・産業ソリューション事業本部産業システムデザイン部上級システムコンサルタントの新井朗さんに聞いた。
—記事の概要—
・8000マイルだと魅力ない
・4つなら全部見てもらえる
8000マイルだと魅力ない
JALの国内線特典航空券は、距離によりAからCまでの区間に分類。羽田発着の場合、通常時の必要往復マイル数は、大阪や名古屋、山形などA区間は1万2000マイル、札幌や那覇、南紀白浜などB区間は1万5000マイル、久米島と宮古、石垣のC区間は2万マイルとなっている。どこかにマイルは、羽田-伊丹間の特典航空券と比べて、半分のマイルで交換できると言える。
馬場さんは「通常の半分以下としたほうが、わかりやすいと考えました。8000マイルだと魅力がないんじゃないかな? とも思いましたね」と、往復で6000マイルになったいきさつを話す。キャンペーンで利用できる「ディスカウントマイル」の場合、往復1万2000マイルの場合は1万マイルになるのも、8000マイルでは魅力がないと考えた理由のひとつだという。
どこへ行けるかがわからないため、ウェブサイトから申込時に利用日だけではなく、羽田の出発時間と到着時間を設定するようになっている。
時間帯は、午前5時から8時59分、午前9時から11時59分、午後0時から3時59分、午後4時から6時59分、午後7時から11時59分と、5つから選べるようにした。4つの候補地も、名所だけではなくグルメ情報も確認できるようにし、旅をイメージしやすいものを目指した。
サービスが生まれたきっかけは、馬場さんが特典航空券で新しい取り組みを考えていたところ、NRIから2014年夏に提案があったことだった。JALとNRIはこれまで、Apple Watchをはじめとする機器の実証実験などで関係を構築してきた。馬場さんは「特典航空券は行き先を決めてマイルを貯めるので、『どこかにマイル』は新規需要と捉えています」と話す。
こうした行き先を航空会社に委ねる仕組みだと、本当にランダムに決まるのかを不審がる人もいるだろう。「空席が多い
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