日本航空(JAL/JL、9201)は、日本アイ・ビー・エム(IBM)と航空機の故障予測分析を今月から共同で始める。過去の整備記録などをビッグデータとして活用し、故障前に整備することで欠航や遅延を防ぐ。
JALが運航するボーイング777型機などの機体からダウンロードした各種センサーのデータと整備履歴を、IBMの統計分析ソフトウェア「IBMSPSSModeler」で分析。その結果から機材の故障発生を予測し、事前に整備することで機材の不具合による欠航や遅延を未然に防止する。
これまでは機体やエンジン、装備品に備えられたセンサーが収集する温度や圧力などのデータを、1フライト単位でモニターしていた。センサーの値が設定値を超えた場合に異常を検出する、単純なモニタリングで整備を進めてきた。
今回の取り組みでは、過去のフライトで得られた大量のセンサーデータと、機体や部品の整備記録をビッグデータとして総合的に分析。統計値から引き出される故障予測の結果に基づき、的確な予防整備を実施できるようになるという。
両社は分析開始に先立ち、2015年11月から1年間の実証実験を実施。特定の故障発生を、一定の精度で事前予測できたという。今後は分析対象領域を拡大し、故障予測技術の高度化を進めていく。
対象機材は777のほか、ボーイング737-800型機、767、787、ボンバルディアCRJ200型機、エンブラエル170(E170)、190(E190)型機。分析や整備は、JALグループの整備会社であるJALエンジニアリング(JALEC)が実施する。
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IBM SPSS Modeler
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