三菱航空機は11月21日、開発中のリージョナルジェット機「MRJ」の飛行試験4号機(登録番号JA24MJ)が、現地時間18日午後(日本時間19日朝)に米ワシントン州モーゼスレイクにあるグラント・カウンティ国際空港に到着したと発表した。
4号機は15日午前9時35分に、県営名古屋空港を出発。グアム国際空港、マーシャル諸島マジュロ国際空港、ホノルル国際空港、サンノゼ国際空港を経由する南回りのルートを飛行し、現地時間18日午後1時46分(日本時間19日午前6時46分)に、米国の飛行試験拠点であるグラント・カウンティ空港に到着した。
三菱航空機によると、総フライト距離は約1万4000キロ、総飛行時間は18時間43分だったという。
4号機は9月25日に初飛行。モーゼスレイクにはこれまでに、初号機(JA21MJ)が9月28日に到着。10月18日から米国での飛行試験を始めている。
三菱航空機では、5機ある飛行試験機のうち、4機を年内に米国へ持ち込む計画。4号機が到着したことで、米国での飛行試験は2機体制へ移行する。
国内で飛行試験を実施する5号機と合わせ、2018年ごろまで飛行試験を実施。2018年前半には機体の安全性を証明する、国土交通省航空局(JCAB)の型式証明を取得する。全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(9202)への量産初号機引き渡しは、2018年中ごろを計画しているが、試験の進捗によっては、1年程度の遅れが生じる可能性もある。
米国での初飛行試験
MRJ、米国で初の飛行試験 初号機が3時間フライト(16年10月18日)
18年納入目指す
・MRJ「18年納入」森本社長、計画堅持目指す(16年10月14日)
ANAHDとJALに納入遅延リスクを説明
・MRJ納期問題、JALへの説明は報道後 延期言及せず(16年10月3日)
・MRJ、5度目の遅延リスク説明 ANA、発注変更せず(16年10月3日)
3度目のフェリーフライト挑戦
・MRJ、米国へ到着 フェリーフライト成功(16年9月29日)
・3度目の正直、MRJが新千歳出発 米国へロシア経由(16年9月27日)
・MRJ、新千歳に到着 あすにも米国へ(16年9月26日)
・MRJ、米国へ 挑戦3度目、新千歳経由で(16年9月26日)
8月に2日連続引き返し
・MRJの2日連続引き返し、同じ空調監視装置に不具合(16年8月30日)
・MRJ、再び名古屋へ引き返す 昨日と同じ故障検知(16年8月28日)
4号機が初飛行成功
・MRJの4号機、初飛行成功 初号機隣に帰着(16年9月25日)
・MRJ、4号機が初飛行 名古屋から試験空域へ(16年9月25日)