エアバス, エアライン, 機体, 解説・コラム — 2016年11月16日 12:40 JST

大型ディスプレイ並ぶコックピット　写真特集・ベトナム航空A350-900就航（後編）

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　冬ダイヤ初日の10月30日から、ベトナム航空（HVN/VN）がホーチミン－関西線にエアバスA350-900型機を就航させた。2015年9月、A350 XWBによる初の日本への商業運航を実現した同社は、関西空港へのA350による定期便も、一番乗りを果たした。

関西空港へ就航したベトナム航空A350のコックピット＝16年10月30日 PHOTO: Motoyoshi OHMURA/Aviation Wire

　青緑の機体と、垂直尾翼に描かれた黄金の蓮の花が特徴のベトナム航空。同社のA350は2015年9月20日、機材変更で成田へ初めて乗り入れた。

　座席数は305席で、ビジネス29席とエコノミー276席の2クラス構成。ホーチミン－関西線は、これまでエアバスA330-200型機（280席：ビジネス24席、エコノミー256席）で運航しており、座席数が25席増えた。

　ビジネスは全席通路アクセス可能なスタッガード配列で、1列あたり1-2-1席でフルフラットシートが並ぶ。エコノミーは薄型シートを採用し、1列3-3-3席配列とした。

　胴体は53％がカーボンファイバー、14％がチタンで軽量化が進んだ。客室幅は5.61メートルで、ボーイング777型機の客室幅5.86メートルとほぼ同じ。777の胴体が真円なのに対してA350は卵形のため、客室幅がほぼ同じでも圧迫感を感じにくい形状になっている。

　客室内は高度6000フィート（1829メートル）以下の状態を一定に保て、快適性を向上させた。空調もビジネスクラスやエコノミークラスといったゾーンごとにきめ細かく管理でき、機内の空気も2-3分ごとに入れ換える。すべてを床下配線にしたことで、床の表面に余計な出っ張りがない。

　頭上の手荷物棚（オーバーヘッドビン）も大きくなった。近年利用する人が多いキャスター付きスーツケースを、タテにして収納できる。これにより、全クラスの乗客がこうしたスーツケースを機内に持ち込んでも、自席の近くに収納できる。窓側の棚はスーツケースが5つ、中央の棚はスーツケース3つと中型バッグ2つが入る。

　ホーチミン－関西線の運航スケジュールは1日1往復で、関西行きVN320便はホーチミンを午前0時15分に出発し、午前7時着。ホーチミン行きVN321便は関空を午前10時30分に出発して、午後1時45分に到着する。

　本写真特集では、A350の客室やギャレー（厨房施設）、ラバトリー（化粧室）、クルーバンク（乗務員用休憩室）、コックピットなどを紹介。後編では、大型ディスプレイが並ぶコックピットなど、ビジネスクラスやエコノミークラス以外の設備を取り上げる。

＊前編はこちら。