日本航空(JAL/JL、9201)11月14日、子供向けの次世代育成プログラム「空育」(そらいく)をスタートさせた。飛行機や交流、環境・宇宙を通じ、さまざまな未来を考えるプログラムを提供する。第1弾として、満月が通常よりも大きく見える「スーパームーン」を機内から観賞し、地球の未来を考える活動を展開する。
「子供たちの未来サポートしたい」
空育は、これまで展開してきた「そらいく」を強化。従来は、飛行機を通じ「自分」の未来を考えていたが、今後は交流を通じ「日本と世界」の未来を、環境・宇宙を通じ「地球」の未来も考えていく。
CSRを担当する大川順子専務は、空育の開始について「子供たちが作っていく未来をサポートしたい、という思いが強かった」と話し、「自分のものだけでなく、日本や世界、地球の未来について考えてもらいたい」とした。今後は体験型プログラムを中心とした「非日常体験」を提供していくとした。
空育では2020年度末までに、100万人を対象とし、活動を展開する。
第1弾はチャーター便でスーパームーン
同日に成田空港で実施した第1弾「スーパームーン観賞チャーター」は、日本初の民間月面探査チーム「ハクト」とのコーポレートパートナー契約により実現。環境・宇宙を通じ、地球の未来を考える。宮城と熊本両県の小学生をはじめ112人が参加し、紙飛行機の折り方やハクトが開発している月面探査機「ローバー」の模型操縦を体験した。
紙飛行機には自身の顔写真を印刷。夢や願いごとを書き込み飛ばした。子供たちは折り紙ヒコーキ協会のメンバーから折るコツなどを教えてもらい、はしゃぎながら飛ばした。
ローバーの操縦体験は、クレーターなどが印刷された月面を模したシートに岩を模した障害物を置き、iPadでローバーの模型を操作する。対角線上にあるゴールを1分30秒以内に目指す。慣れない操作に悪戦苦闘する子供がいた一方、オペレーターから「未来の操縦士を発見した」と言われる子供もいた。
また、ローバーの模型も展示。子供のほか、保護者も熱心に撮影する姿が見られた。JALは撮影用の特製フレームを用意し、客室乗務員が撮影会に応じた。HAKUTOのオペレーター同士が撮影しあう姿も見られた。
夕方からは成田発着のチャーター便でスーパームーンを観賞。招待客らが搭乗し、仙台上空から大きな満月を楽しんだ(詳細はこちら)。
ハクトは国際宇宙開発レース「Google Lunar XPRIZE(グーグル・ルナ・エクスプライズ、GLXP)」に日本で唯一挑戦する月面探査チームで、アイスペース(東京都港区・袴田武志社長)が運営。月面探査機「ローバー」と、JALが運航する787がともに炭素繊維を採用していることが契機となり、支援が決まった。
・JAL、仙台上空でスーパームーン観賞 被災地の小学生招く(16年11月14日)