全日本空輸(ANA/NH)は11月12日朝、エアバスA321ceo(A321従来型)の初号機(登録番号JA111A)を就航させた。初便の羽田発宮崎行きNH601便は、午前7時45分に70番スポットから出発。D滑走路(RWY05)から離陸した。当初から就航記念イベントの予定はなく、ひっそりと就航した。
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A321ceoは、新型エンジンを採用したA321neo(ニュー・エンジン・オプションの略)の開発に伴い、エアバスが従来型を名称変更したもの。A320ファミリーで標準型となるA320と比べ、胴体が約20%長い44.5メートルとなる。
12日に就航した初号機は、2015年4月2日にANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が発注した機体で、羽田には先月31日に到着。2017年3月までに初号機を含む全4機を受領し、国内線に投入していく。シャークレット付きA321の導入は、国内で初めて。
座席数は2クラス194席で、プレミアムクラス8席と普通席186席。シートはともにレカロ製で、プレミアムクラスは国内線機材では初の電動シートを採用した。ブルーのLEDが光る手荷物収納棚に示されたシート番号は、点字も併記している。
また、全席に充電用USB端子を設け、プレミアムクラスには電源コンセントも設置。ANAの国内線用機材として初めて、受領時からWi-Fi機器による機内インターネット接続サービス「ANA Wi-Fiサービス」に対応している。
客室後部は向かって左側をギャレー(厨房設備)、右側を2つのラバトリー(化粧室)とし、シートを多く設置できるようにした。エアバスが「スペース・フレックス」と名付けている客室レイアウトで、国内初導入となった。また、主翼には燃料消費量を改善する翼端の「シャークレット」を装備する。
ANAがA321を運航するのは、今回が2回目。1998年4月から2008年2月まで、最多で7機のA321(シャークレットなし)を国内線で運航しており、8年ぶりの就航となった。7機の座席数は191席(スーパーシート8席、普通席183席)の2クラス構成で、国内線仕様のA320(1クラス166席)よりも25席多かった。
A321ceoのエンジンはCFM製CFM56-5B3/3で、推力は3万3000ポンド(1万4970キロ)。以前運航していたA321はIAE製V2500を搭載していたが、A320と同じ、CFM56に統一された。
ANAHDでは4機のA321ceoのほか、新型エンジンを搭載するA321neoを26機、A320neoを7機発注済み。エンジンはいずれも米プラット・アンド・ホイットニー製PW1100G-JMを選定した。A320neoは2016年度から2018年度に、A321neoは2017年度から2023年度に受領する。
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初便の運航スケジュール
NH601 羽田(07:40)→宮崎(09:30)
NH604 宮崎(10:10)→羽田(11:45)
写真特集・ANA A321ceo国内線仕様
前編 電動シートのプレミアムクラス(16年11月17日)
後編 初号機はハンブルク製(16年11月18日)
羽田到着初便
・ANAのA321ceo初便、宮崎から帰着 国内線初の電動シート(16年11月12日)
A321ceo関連
・ANA、A321ceo初号機が羽田到着 上級クラスに電動新シート(16年10月31日)
・ANA、A321neoなど7機正式発注(15年4月2日)
・ANA、787-10やA321neoなど15機発注へ(15年1月30日)
・ANA、777-9XとA321neoなど70機正式発注 16年度から受領(14年7月31日)
・ANA国内線Wi-Fiサービス、一足先に使ってみた(16年1月25日)
A320neo関連
・ANA、A320neoの新シート初披露 短距離国際線用、六本木で体験会(16年11月11日)
・ANAのA320neo、初号機が塗装完了(16年11月1日)