成田空港の第3滑走路実現に向けた地元有志による団体「成田第3滑走路実現を目指す有志の会」(会長:山崎和敏・多古町商工会長)は11月7日、成田国際空港会社(NAA)の夏目誠社長に要望書を手渡した。
1978年5月20日に開港した成田空港は、4000メートルのA滑走路(RWY16R/34L)と2500メートルのB滑走路(RWY16L/34R)の2本で運用している。第3滑走路は、欧州便の出発が集中する昼前後の慢性的な混雑などの解決策として、建設の検討が進められている。
要望書は、第3滑走路の実現に向けて9つの項目を柱に取りまとめた。空港周辺地域の産業振興に向けた「成田国際空港圏特区」の創設や規制緩和、騒音や防音、落下物防止などの対策、空港のバスターミナル強化や空港へ通じる道路のノンストップゲート化、雇用創出、防災拠点の整備などを挙げた。
有志の会は、すでに千葉県や自由民主党にも要望書を提出しており、今回は防災拠点整備を新たな項目として追加し、バスターミナル整備や空港職員用駐車場の整備など具体的な項目を掲げた。
山崎会長は夏目社長に対し、「地域住民と空港関連企業に問題点や課題を聞き、取りまとめた」と説明。夏目社長は「成田はこのままで国際競争で地盤沈下する懸念がある」として、地元との対話を進めていく姿勢を示した。
有志の会の顧問で地元・芝山町の相川勝重町長は、開港前から国による住民への説明でさまざまな問題が起きた成田空港の歴史的経緯を振り返り、今後の住民との話し合いについて、「地域ごとの課題をひもとく必要がある。時間を掛ければよいのではなく、違いをしっかり認識して進めていくべき」と述べた。
有志の会は今後、国土交通省へも同様の要望書を提出する予定。また、11月末にはウェブサイトを立ち上げ、住民などに対して第3滑走路の必要性を訴えていく。
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成田国際空港
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